米Omeatがパイロットプラントの建設を完了、培養肉生産に血漿を用いる独自製法のスケールアップへ

今年6月にステルス状態から脱却した米国の培養肉企業Omeatが、最新鋭のパイロットプラント竣工を発表しました。

最大400トンの生産能力を有する工場が完成


カリフォルニア州ロサンゼルス郊外に位置する15,000平方フィート(約1,400平方メートル)の新工場は、最大1万リットルのバイオリアクターを収容できるよう設計されており、最大400トンの生産能力を有します。

同社CTO(最高技術責任者)を務めるJim Millerは、「工場設立により、農場から食卓に至る一貫したサプライチェーンを構築できた」と語りました。

同社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業した組織工学の世界的権威であり、ハーバード大学で教授も務めたAli Khademhouseniが設立。培養肉生産に血漿を用いる画期的な製法を開発した後、続けてウシ胎児血清(FBS)の代替品となる成長因子「Plenty」を発売し、今年8月にB2B供給を開始しました。

血漿から成長因子を抽出する独自製法


Omeat独自の生産工程は、自社で飼育するホルスタイン牛の血漿を採取するところから始まります。新しく開設するパイロットプラントでは、この採取した血漿を持ち込んでPlentyを抽出。バイオリアクターの内部で牛の細胞と混ぜ合わせ、ひき肉製品に仕上げます。

今回のパイロットプラント開設は、培養肉を消費者に提供し、より持続可能なタンパク源に対する需要の高まりに対応するための重要な一歩となる見込み。

最高基準の品質・味・安全性を保証するために不可欠なデータを蓄積しながら、複雑な生産プロセスを大規模に実証することが可能となり、規制当局からの認可取得に向けた明確な道筋の確立が期待されます。

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