英WNWN Food Labsが、カカオも牛乳も不使用のミルクチョコレートを開発

カカオフリーのチョコレートを開発する英WNWN Food Labs(以下、WNWN)が、初のヴィーガン「ミルク」チョコレート製品を開発しました。甘くてクリーミーな従来のチョコレートを模したモカ、モルト、ヘーゼルナッツの香りと、バターのようなリッチな後味を、チョコレートも乳製品も使わずに実現しています。

オーツ麦とタイガーナッツをブレンド


WNWNは、穀物や豆類といった植物由来の原料を発酵させることで、従来のチョコレートと同じ味、溶けやすさ、焼け方などの特性を再現してきました。Hershey’sのような大手メーカーがミルクチョコレートの代替品にオーツミルクを使う一方、今回はオーツ麦とタイガーナッツを独自にブレンドすることで、ミルキーな味わいと食感を作り出すことに成功しました。

カカオを含まないためノンカフェインで、砂糖の含有量も少なく、パーム油は一切不使用

タイガーナッツとは、キハマスゲ(Cyperus esculentus)という植物の食用塊茎で、日本ではあまりなじみがありませんが、スペインで一般的な飲料のオルチャータに主原料として使われます。北アフリカ原産で、アーモンドや大豆、オーツ麦に比べて少ない水で育つのが特徴。WNWNではタイガーナッツを、スペインからサステナブルな方法により調達しています。

従来のチョコレートとは一線を画す


インドネシアやマレーシアで、大規模プランテーションによる熱帯雨林の破壊が深刻な問題となっている、パーム油生産。身近な食品にも多く使われ、欠かせない原料の一つとなっているパーム油ですが、WNWNではこれを一切使用せず、環境にもやさしいチョコレートを開発。

独自に実施したライフサイクルアセスメントでは、同社のダークチョコレートが排出する温室効果ガスは、従来のチョコレートと比べて80%少ないとの結果が得られたとのこと。新開発したミルクチョコレートについても、第三者機関による検証を実施中です。

同時に、人身売買や児童労働など、カカオ産業で蔓延している人権問題を回避することができるメリットも。2022年、チョコレート製品大手のマース、ネスレ、モンデリーズ、ハーシーの4社が児童労働に関する訴訟を起こされたのは、記憶に新しい出来事です。

この訴訟は、International Rights Advocatesという非営利の人権保護団体が、8人の子供たちに代わって提起したもの。現在成人している子供たちは全員、隣国マリの出身でありながら、コートジボワールのカカオ農園で強制的に働かされ、報酬も支払われなかったといいます。大手メーカーのサプライチェーンの中でも人権侵害が横行していることが明るみに出たニュースでした。

カカオ栽培や酪農が抱える、児童労働や奴隷労働、森林破壊、CO₂排出といった問題を回避し、従来のチョコレート製造とは一線を画すアプローチを採っているWNWN。昨年のダークチョコレート発売以降、商品ラインナップを増やし、今年初めにはシリーズAラウンドで560万ドル調達しました。2024年までには、英国内の小売店での販売を開始する予定です。

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