ベルギーのBolder Foods、代替チーズにうま味をもたらす菌糸体原料を発表
ベルギーのフードテック企業Bolder Foodsが、代替チーズに最適な菌糸体ベースの原料「MycoVeg」を発表しました。
菌糸体で代替チーズに革命を起こす
MycoVegは、糸状菌の栄養体として機能する菌糸体をバイオマス発酵させて作られた原料で、代替チーズにクリーミーでバターのような弾力のある食感と、チーズならではの力強いうま味をもたらすといいます。
代替チーズ業界に革命を起こすと謳う同社は、菌糸体を「自然の秘密兵器」と呼び、3つの面からその可能性を強調。
第一に、菌糸体の発酵・成長プロセスは最小限の資源しか必要とせず、持続可能性が極めて高いこと。第二に、栄養の宝庫である菌糸体は、食物繊維、タンパク質、ビタミンの優れた供給源となり製品の栄養プロファイルを向上させること。そして第三に、製品開発において多用途に活用できることを挙げています。
植物性チーズから菌糸体の活用にシフト
Bolder Foodsは以前、カリフラワーとひよこ豆を用いた代替チーズ「Chizou」で植物性チーズのカテゴリーに参入。カリフラワーを主原料に選んだ理由として、「栄養価が高いことに加えて、美味しさを生む天然香料成分を吸収するのに最適だったため」と説明しています。
Chizouは、味を損なうような特有の臭いも発せず、通常のチーズのように溶けて焼き色が付くとされ、ベルギー国内の大手スーパーマーケットDelhaizeとColruytの店舗で発売されました。
そして2021年、同社は代替乳製品の原料としてあまり使われてこなかった、菌糸体に着目。その可能性を最大限に引き出した代替チーズの開発をスタートさせます。
現在でも菌糸体の代替乳製品への活用例はそれほど多くありませんが、スウェーデンのMycorenaは2022年、マイコプロテインベースのバターを初めて発表し、発酵食品の新たな道を開きました。
植物性食品への関心が高まるベルギー
ベルギーでは昨今、植物性食品への関心が特に高まりを見せており、バーガーキングは2022年、同国で販売されたハンバーガーの3個に1個が植物性製品だったと報告しました。
前述のDelhaizeも「植物性食品への大規模なシフト」を予測し、2025年までに植物性食品の取扱品目を倍増させる計画。
代替チーズについても、市場シェアはいまだ小さいものの、GFI Europeは2020〜22年にかけてベルギー国内のヴィーガンチーズの売り上げが28%増加したと試算しています。
参考記事:
Belgium’s Bolder Foods Unveils Mycelium Ingredient to Create “Punchy Cheesy” Umami Flavors in Alt Cheese
Belgium’s Bolder Foods Launches Cauliflower-Based Cheese at Delhaize
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