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米Elmhurst 1925が代替肉カテゴリーに参入、ヘンププロテインのみから作る究極のクリーンラベル製品を発売

乳製品メーカーから植物性ミルクのブランドに転身した米国のElmhurst 1925が、代替肉のカテゴリーへと新たに進出し、植物性チキンの新製品「TerraMeat Plant-Based Chick’n」を発売しました。

粉末をレンジで調理するユニークな代替肉


代替肉の新ブランド「TerraMeat」は、常温で乾燥粉末として販売されるユニークな製品。水、油、調味料を加え、電子レンジで90秒加熱すると植物性カツレツが出来上がります。

代替肉パウダーの原料には、麻の実に含まれるタンパク質「ヘンププロテイン」のみを使用しており、1食あたり26gのタンパク質と10mgの鉄分を含有。

製品自体には味が付いておらず、調理過程で好みの味付けにできるため、さまざまなレシピに適しているのも魅力です。

「TerraMeat Plant-Based Chick’n」は2種類のフォーマットで販売。一つは、製品に混ぜるための容器、スパチュラ、ブレンドした調味料がセットになったスターターキット。もう一つは、ヘンププロテインの粉末と調味料のみをセットにしたもので、米国内ではいずれもElmhurst 1925のウェブサイトから入手可能です。

高まるクリーンラベルの重要性


市販の植物性チキンでは時に40~50種類もの原材料が使われていることもある中、ヘンププロテインのみを使用したTerraMeatは、究極のクリーンラベル製品。

動物由来原料を代替するために使われている原材料や、高度に加工された食品がすべて有害であるわけではなく、代替肉は栄養的に優れているという研究結果も出ているものの、植物性代替肉への懸念や批判は根強く残っているのが現状です。

2022年にInnova Market Insightsが行った調査では、世界の消費者の3人に2人以上がクリーンラベルの表示に影響を受けており、半数近くが表示のある製品により高い金額を支払うと回答。

この流れは現在も続いており、欧州メーカーの99%がクリーンラベル製品を「事業戦略の要」と認識している様子。2021年に製品ポートフォリオの52%を占めていたクリーンラベル製品は、今後2年間で70%まで上昇すると予想されています。

Beyond MeatImpossible Foodsといった植物性代替肉メーカーは、クリーンラベルを推進するための処方改善を継続的に行っているほか、結着剤として使われるメチルセルロースの代替品開発に取り組む動きも見られます。

植物性乳製品の原料や製法を活用


社名にもあるとおり1925年に創業したElmhurst 1925は、乳製品メーカーとして長い間事業を続けてきましたが、2017年に植物性食品メーカーへと転身。

TerraMeatシリーズの原料には、ヘンプベースのコーヒーミルクの原料としている麻の実を活用。また、植物性乳製品の製造に用いるのと同じ「HydroRelease」製法を採用しています。

代替肉の製造でよく使われる押出成形では、植物性タンパク質を高温で押し出すことで消化率が悪化するといいますが、同社の技術ではヘンププロテインを比較的低い温度でも機能性を保ったまま凝固させられるとのこと。

昨年、植物性ミルクの売り上げは前年比1%の微増となった一方、植物性代替肉・シーフードの売り上げは12%減少。混雑した業界で厳しい財政状況にある企業が増加している中ですが、ユニークなクリーンラベル製品で躍進を狙います。

参考記事:
Elmhurst 1925 | LinkedIn
Elmhurst 1925 ウェブサイト
Elmhurst 1925 Launches One-Ingredient Plant-Based Chicken Sold in Powder Form
TerraMeat: Alt-Dairy Brand Elmhurst 1925 is Now Making Meat Analogues, With Just One Ingredient

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