精密発酵ラクトフェリンを開発するDe Novo Foodlabs、シードラウンドで約2.2億円を調達

南アフリカ発、米国に本社を置く精密発酵企業De Novo Foodlabsが、米国のJoyful Venturesから150万ドル(約2億1,900万円)のシード資金調達を行ったと発表しました。

主力原料「NanoFerrin」の商用化を促進し、環境に優しいラクトフェリン代替品の普及を目指します。

2022年に続く資金調達に成功


Joyful Venturesは、Vegan Women SummitのJennifer StojkovicやThe Good Food Instituteの共同設立者Milo Runkleなどの著名人が率いる、代替プロテインを専門に投資を行うベンチャーキャピタル。

「De Novo Foodlabsは、Joyful Venturesが支持するイノベーションと持続可能性のお手本」と語るRunkleは、この投資に伴い同社の取締役会に加わる予定です。

De Novo Foodlabsは、2022年のプレシードラウンドでSustainable Food Ventures、Siddhi Capital、CULT Food Scienceなどから資金を得ており、これまでの調達総額は400万ドル(約5億8,400万円)となっています。

安価なラクトフェリンの安定供給へ


De Novo Foodlabsの主力原料「NanoFerrin」は、乳清タンパク質の一種であるウシラクトフェリンと生物学的に同じ代替品。

ラクトフェリンは、抗酸化作用、抗細胞老化作用、抗炎症作用があり、免疫力、脳の健康、鉄分の吸収、腸の健康を増進させるとして、非常に注目を集めています。

しかしながら、牛乳に含まれるラクトフェリンはほんのわずかで、供給量に限りがある希少原料となっていました。同社は精密発酵による持続可能な生産プロセスを活用することで、より手頃な価格で環境に優しい代替品の普及を目指します。

世界のウシラクトフェリン市場は2023年に7億7,200万ドル(約1,130億円)と評価され、今後10年間で毎年15.8%の成長が予測されています。

現時点で精密発酵ラクトフェリンの認可を得て商用化に近づいているのはシンガポールのTurtleTreeのほかにありませんが、De Novo FoodlabsもNanoFerrinの持つ競争力を生かし、この拡大する市場に参入したい思惑です。

参考記事:
De Novo Foodlabs to Revolutionize Health & Wellness Market with Anti-Aging, Animal-Free Lactoferrin
De Novo Foodlabs Secures Funding from Industry-Backed VC for Precision-Fermented Lactoferrin Protein

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