米Wild Earthが、「完全栄養」を謳ったヴィーガンキャットフードを発売

植物由来のペットフードを開発する米国のWild Earthが、「完全栄養」を謳った初のヴィーガンキャットフードを発売しました。

猫に不可欠な栄養をプラス


新製品の「Unicorn Pate」は、レンズ豆、エンドウ豆、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、海洋由来の微細藻類、そしてクランベリーを原材料に使用し、ビタミンAやB12など猫に不可欠な成分を加えた製法。

ペットフードの安全基準や規制基準の設定を担う米国飼料検査官協会(AAFCO)の定める要件を上回っています。

Wild Earthにとって、キャットフード製品の発売は初。5.5オンス(約155g)缶が同社のウェブサイトで販売されており、価格は12個入りで60ドル(約8,700円)。定期購入で30%引きとなります。

猫の菜食主義は健康面で問題なし


雑食性の犬とは異なり完全肉食動物である猫は、肉食を避けることは難しいとこれまで考えられてきました。中でも必須アミノ酸の一種であるタウリンは、猫が体内で生成することはできないため、食物からの摂取が必須。

しかし、ウィンチェスター大学のAndrew Knight教授が昨年1,369匹の飼い猫を対象に実施した調査では、植物ベースの代替食が、猫にとっても肉食と同等以上に健康的である可能性が示されました。

具体的には、完全栄養のヴィーガン食を与えた猫では、投薬が14.9%、治療食への移行が54.7%、より重症な病気への罹患が22.8%、そして動物病院を受診する回数が7.3%減少するなど、有意とまではいえないものの良好な結果が得られたとのこと。

Knightは、生物学的にネコに必要な栄養素は肉類ではなく、特定の栄養素(タンパク質、タウリン、ビタミンA、ビタミンB12など)であり、これらは植物性のサプリメントで摂取することができると『The Guardian』誌に語っています。

Unicorn Pateは、植物には含まれないタウリンを加えるため、微細藻類を使用していると考えられます。

植物性フードを「最初の選択肢」に


Wild Earthの植物性フードの利点は、鶏肉などの動物性タンパク質にアレルギーを持つ猫にも栄養を供給できること。

このような猫にはいわば「最後の選択肢」として植物ベースの食事が処方されることが多くありますが、同社は衛生的・健康的なペットフードを飼い主が選ぶ「最初の選択肢」とすることを目指しています。

2017年に設立された同社は、2019年に米国の投資リアリティ番組「Shark Tank(シャーク・タンク)」に出演し、実業家マーク・キューバンからの投資を獲得しました。

当初はドッグフードに焦点を当てており、2022年にウォルマートで麹ベースのドライフードを発売。昨年にも、植物と菌類をブレンドした製品を数種類のフレーバーで展開しました。

その後、流通業者Zeigler’s Distributorとの提携により、米国中部〜西部にかけて販売エリアを拡大しています。

参考記事:
Wild Earth Launches Nutritionally Complete Vegan Cat Food
Unicorn Pate: Wild Earth Debuts ‘Nutritionally Complete’ Vegan Cat Food

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