デンマークの21st.BIOが精密発酵ホエイのGRAS自己認証を取得、米国での商品化が可能に

デンマーク企業の21st.BIOが、精密発酵によるβ-ラクトグロブリン「BLG Essential+」のGRAS自己認証を取得したと発表しました。

さまざまな食品に配合可能な乳清タンパク質


GRASステータスを得たことで、21st.BIOの精密発酵ホエイはヒトが摂取しても安全であることが保証され、米国内での商品化が可能になりました。すでにFDAへの正式な通知も済ませており、「FDA GRAS」の取得* までを目標としています。

同社によると、牛乳の乳清(ホエイ)に含まれる主要なタンパク質であるβ-ラクトグロブリンは、高い栄養品質と食品処方に有益な特性により大きな関心を集めているといいます。

「BLG Essential+」は、必須アミノ酸と分岐鎖アミノ酸(BCAA)を含み、中でもロイシンの含有量は市販のホエイプロテイン分離物よりも45%多いとのこと。

味はニュートラルで、pH安定性、耐熱性であるため、乳製品からプロテイン飲料、ベーカリー製品までさまざまな食品への配合が容易に行えます。

* 参考:GRAS自己認証 → FDA GRAS取得の流れ

顧客の開発から本格的な生産までをサポート


2020年に設立された21st.BIOは、同じデンマーク企業のNovonesisから一部ライセンス供与を受け、開発から数十年にわたり改良されてきた業界最先端の精密発酵プラットフォームを構築

グリーン転換をグローバルに推進するため、工業規模の精密発酵技術を利用可能にすることを目指し、顧客に菌株と発酵設備へのアクセスを提供することで、開発から本格的な生産までをサポートしています。

GRASステータスを得たことで、同社の顧客である乳タンパク質サプライヤーが、BLG Essential+を自社で生産し、米国市場向けに商品化できるようになりました。

同社は今年5月、3,000リットル超の発酵能力を持つパイロットプラントを国内に開設。乳清タンパク質のほかにも、食品、バイオマテリアル、バイオ医薬品、バイオマイニング* 用の組み換えタンパク質とペプチドの開発に取り組んでいます。

* 微生物の作用を利用して、鉱物や鉱石から有用な金属資源を抽出する技術。

参考記事:
21st.BIO’s Precision Fermented Whey for Animal-Free Dairy Obtains US GRAS Status
21st.Bio Earns Self-Affirmed GRAS Status in US for Precision-Fermented Whey Protein

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