The Better Meat Co.、シンガポールでマイコプロテイン「Rhiza」の認可を取得しアジアに進出

米国・カリフォルニア州に拠点を置くThe Better Meat Co.が、主力製品のマイコプロテイン「Rhiza」について、シンガポール食品庁(SFA)からの販売認可を取得したと発表しました。

米国に続き2カ国目の販売認可を取得


The Better Meat Co.は、マイコプロテインを生産するバイオマス発酵プロセスにおいてアカパンカビNeurospora crassa)を使用。今回の認可は、この菌がヒトの食用として安全であることを確認するものです。

アカパンカビは、インドネシアではテンペやオンチョム(大豆やおからを発酵させた食品)といった伝統料理に使用されてきましたが、菌体そのものが食材として利用されたことはありませんでした。

現在市場に出回っているマイコプロテインの大半は、英国のQuornが40年近くにわたって使用してきたフザリウム属菌(Fusarium venenatum)を用いたもの。アカパンカビは少数派ですが、The Better Meat Co.は7月に米国でGRASステータスを取得し、フザリウム属菌以外では初の認可事例を作っていました。

さらに、米国農務省(USDA)による食肉の改良剤としての評価も実施され、ハイブリッド肉製品に配合するのに適切かつ安全であると分類されています。

他社に先駆けハイブリッド肉市場で成功


The Better Meat Co.のCEOを務めるPaul Shapiroは、来年2月にシンガポールで開催される第3回「Annual Meat Evolution Leaders Summit」の基調講演で、マイコプロテインRhizaを使った料理を披露する予定です。

同社はこれまでに、アカパンカビを含むノイロスポラ属菌の利用に関して4件の特許を取得。安全性を実証した研究結果を発表し、動物実験を行ったことはないと断言するなど、消費者の信頼を得る取り組みを続けています。

牛肉や鶏肉と同等の価格を実現できるよう、発酵プラットフォームの改良と規模拡大に注力し、今年6月には生産コストの大幅な引き下げに成功したと発表しました。

「地球を破壊することなく人類に食料を供給するためには、畜産で大規模化するのではなく、微生物農法で小規模化を図らなければならない」とShapiroは語り、食材としてのマイコプロテインの可能性を示すため、ベーコンからミートボール、ステーキまで多岐にわたる代替肉を開発しています。

マイコプロテイン「Rhiza」は、2019年から食肉大手パーデュー・ファームズが手掛ける動物性食肉とのブレンド製品「Chicken Plus」に採用されているほか、多数の小売店でも導入済み。先日Quornも参入を発表したハイブリッド肉市場において、すでに一定の成功を収めています。

参考記事:
The Better Meat Co. Expands to Asia with Singapore Approval for Rhiza Mycoprotein

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