Friends & FamilyとNovel Farmsが提携、カリフォルニアで培養ペットフードの開発を進める
持続可能なタンパク質を用いたペットフードを開発する米国・カリフォルニア州のFriends & Family Pet Food Co.(以下、Friends & Family)と細胞農業スタートアップのNovel Farmsが、犬や猫用の培養肉製品の発売に向けた提携を発表しました。
2025年にハイブリッド製品の発売を目指す
両社は試験を繰り返しながら試作を重ねている段階で、サンフランシスコのベイエリアをターゲットに、2025年の製品発売を目指しているとのこと。この製品は、多くの培養肉企業が採用するアプローチを反映し、培養肉と植物由来原料を組み合わせたものとなる予定です。
法規制のクリアに向けても準備を進めており、動物飼料原料とペットフードを規制する米国食品医薬品局(FDA)の下部組織、動物用医薬品センター(CVM)との連携をすでに開始。
Friends & FamilyのCEOを務めるJoshua Errettは、「ほかの食品と同様、ペットフードも肉に特化した産業であり、イノベーションが必要だ」と主張。「他企業との提携を重視し保有資産を少なく抑える当社のアプローチは、ペットフード業界を恒久的に変革する可能性を秘めている」とコメントしています。
ペットの健康と持続可能性に配慮した製品づくり
Friends & Familyは、培養肉と代替ペットフードの分野で長年の経験を持つErrettとJonny Cruz、獣医師で栄養学の第一人者Sarah Doddの3人が昨年設立した企業。ペットを飼うZ世代とミレニアル世代をターゲットに、ペットの健康を確保しつつ持続可能性を重視した製品を提供しています。
同社は、シンガポールのUmami Bioworksとも提携を実施しており、培養魚と微細藻類を合わせた必須栄養素を豊富に含む猫用スナックを開発し、来年初頭にも発売する計画です。
一方のNovel Farmsは、ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)などを細胞培養により生産するため、Nieves Martinez MarshallとMichelle Luが2020年に設立。独自の微生物発酵プロセスを用いて、筋細胞と脂肪細胞を費用対効果の高いスケールで共培養するための3D足場を開発しました。
同社によると、従来の足場の製法は高価なもので、拡張性に乏しいとのこと。この障害を克服し、味と食感を向上させながら培養肉の構造化を低コストで可能にするソリューションの確立を目指しています。
2022年にはプレシードラウンドで140万ドル(約2億1,400万円)を調達し、世界初の培養霜降り豚ロースを発表。細胞培養業界に投資を行うカナダのCULT Food Science(Errettが以前副社長を務めた)も、同社に出資しています。
参考記事:
Friends & Family & Novel Farms to Launch Cultivated Meat Products for Pets by 2025
Cultivated Meat Startups Form Partnership to Bring Novel Pet Food to Californians
Friends & Family Pet Food partners with biotech cultivated meat startup | Pet Food Processing
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