Redefine Meatが英国での売上倍増を報告、外食分野での新たな提携で3Dプリント代替肉を展開

3Dプリントで代替肉を製造するイスラエル企業Redefine Meatの製品が、225年の歴史を持つ英国のパブチェーンGreene Kingとのコラボレーションにより、新たに1,000店舗で提供が開始されました。

レストランシェフを魅了する品質の代替肉


植物性食品企業の中では最も名の知られた企業の一つであるRedefine Meatは、3Dプリンターで製造した牛肉、豚肉、羊肉の代替品を、ひき肉、ソーセージ、ハンバーガー、ホールカットなどさまざまな形態で提供。

世界10カ国の4千を超える外食店舗で取り扱われているほか、英国やスイスなどでは小売店でも販売されています。

代表的なものは、同社初のホールカット肉製品として今年7月に発売した牛フランクステーキ。小麦、大豆、ジャガイモのタンパク質をベースに、大豆粉と小麦粉、菜種油、コーンスターチ、天然香料、マルトデキストリン、大麦麦芽、塩、着色料で作られた製品です。

同社はオランダの工場で、特許取得済みの3Dプリンティング技術を活用し、肉らしい風味と肉食の人々を満足させる繊維質の食感を形成。

「植物ベースの組織工学」と呼ばれるこのプロセスでは、テクスチャード植物性タンパク質(textured vegetable protein:TVP)を繊維状に分解し、大豆やエンドウ豆のタンパク質分離物から作られた生地とブレンドします。

このアプローチにより、TVPの持つ肉に近い食感をスケーラブルに再現することができるといい、今年初めに同社が発表したホワイトペーパーでは、「筋肉成分は牛肉の異方性繊維構造を模倣するよう再構築し、脂肪成分はハイドロコロイド・マトリックス内の脂質カプセル化により設計する」と説明されています。

英国で大きな売り上げの伸びを記録


Redefine Meatの代替肉製品の売り上げは、今年英国で大きく成長を見せました。上述のフランクステーキが国内最大のパブチェーンStonegate Groupでもメニューに採用されるなど、外食産業では売り上げがほぼ倍増。

英国初の小売展開を果たしたネットスーパーのOcadoでも、前年比150%の伸びを記録しています。

同社の英国事業を統括するSimon Owenは、「過去1年間で、多数の有名ブランドが植物由来のメニューをプレミアム品質に引き上げるという、世界のフードサービス業界における重要な変化を目の当たりにしてきた」と語りました。

例えばオランダでは、外食産業における代替肉の販売量は2021〜23年の間に111%増加し、同期間に従来の食肉は2%減少。

Redefine Meatがまだ参入を果たしていない米国では昨年、外食産業における植物性タンパク質の売り上げ(重量ベース)が、コロナ前の水準を25%上回りました。その半分は、動物性タンパク質の味、食感、食体験を再現した代替肉が登場したことによるものとされています。

Juicy Marbles(スロベニア)、SWAP Food(フランス)、Project Eaden(ドイツ)、Planted(スイス)、Millennial Flavor Town(韓国)、Green Rebel(インドネシア)といった多くのスタートアップ企業が、これまで代替肉業界の「聖杯」とされてきたホールカット製品を世に送り出しています。

参考記事:
Redefine Meat Doubles UK Sales, Partners with 200-Year-Old Pub Chain for 3D-Printed Meat
Redefine Meat sales rise as it bags pub listing

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