米国の精密発酵企業Liberation Labs、年内の大型工場竣工に向け約78.4億円を調達

精密発酵を手掛ける米国のLiberation Labsが、転換社債の形で5,050万ドル(約78億4,000万円)の調達を行ったと発表しました。

年内に60万リットルの稼働開始を予定


このラウンドの主要投資家には、NEOM Investment Fund(NIF)、Galloway Limited、Meach Cove Capitalが含まれ、既存の支援者であるAgronomics、New Agrarian Capital、Siddhi Capitalも参加。

昨年4月の調達に続き、Liberation Labsの累計調達額は1億2,500万ドル(約194億円)に達しました。

この資金は、同社がインディアナ州リッチモンドに建設を進めている商業規模の精密発酵施設の完成に充てられます。今年稼動予定のこの工場は、60万リットルの発酵生産能力を持ち、専用の下流工程を備えたもの。

食品、化成品、工業用途のバイオベース原料を生産するよう設計されており、米国の精密発酵市場における需給ギャップに対処することを目的としています。

サービスに対する市場の強い需要を反映し、同社はすでに、稼働開始後5年間で利用可能な容量の200%以上について、複数の大企業との間で契約合意に至っているとのこと。

創業者でCEOのMark Warnerは、今回の投資の意義について「既存投資家と新規投資家の両方から強力なサポートを得られたことで、当社のチームや技術の力、市場参入戦略が証明された」とコメントしました。

さらなる大型施設開発の可能性も


Liberation Labsはまた、エンジニアリングと市場分析を含む詳細な実現可能性調査(フィジビリティスタディ)を実施するため、昨年末に139万ドル(約2億1,600万円)の資金提供を受けました。

この資金は米国防総省(DoD)が拠出しており、持続可能性と国家安全保障に直結する、食品を含む重要な分野における米国のバイオ製造能力の強化に焦点を当てたプログラムの一環として提供されたもの。ほかにもThe EVERY CompanyCauldronPerfect Dayといった精密発酵企業が対象となっています。

実現可能性が認められれば最大1億ドル(約155億円)の追加資金が提供されるため、調査の結果次第では、リッチモンド工場に隣接する400万リットル規模の施設の追加開発につながる可能性もあるとされています。

参考記事:
Agronomics’ Liberation Labs secures $50.5m funding to advance biomanufacturing capacity | The Cell Base
Precision Fermentation Firm Liberation Labs Secures $50.5M to Scale Production
US DoD Injects Millions into The Every Co. & Other Biotechs, Says the “Next Industrial Revolution Will Be a Biomanufacturing Revolution”

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