ORF GeneticsとCellmeat、アイスランドで培養シーフードの試食イベントを開催

アイスランドのバイオテクノロジー企業ORF Geneticsが先週、韓国のスタートアップ企業Cellmeatと提携し、アジア以外では初となる培養シーフードの試食イベントを開催しました。

アイスランドで3回目の試食イベントを実施


培養シーフードが披露されたのは、未利用の海洋資源から価値を創出するスタートアップ企業への支援、インキュベーション、投資を促進するセンター「Iceland Ocean Cluster」。

出席者の中には、Halla Tómasdóttirアイスランド大統領の夫Björn Skúlasonや、Hanna Katrín Friðriksson食料・農業・水産大臣もおり、韓国人シェフJinyoung Parkが調理した製品の試食を行いました。

ORF Geneticsはちょうど1年前、培養ウズラを開発するオーストラリアのVowと提携して培養肉試食イベントを開催。このイベントには、当時のアイスランド首相Katrín Jakobsdóttirも出席しました。

その数カ月後には、Iceland Innovation Weekに合わせて英国のIvy Farmと再び試食を行い、アンガス牛の細胞を使った培養ミートボールを披露しています。

低コストで倫理的な生産を実現する成長因子


ORF GeneticsのCEOを務めるBerglind Rán Ólafsdóttirは、「画期的な試食体験の場を提供することで、アイスランドを食品イノベーションの最前線に位置付けられたことを誇りに思う」とコメント。

「当社の成長因子は、Cellmeatのような培養肉メーカーの持続可能な代替品開発を助けるだけでなく、将来の需要を満たすための生産規模拡大も可能にする」と述べています。

Cellmeatは2019年から、細胞を培養したエビやキャビアなどの代替品開発を進めており、ウシ胎児血清(FBS)を使わない培地も早くから実現していました。

2023年には、大規模な培養シーフード生産に経済合理性を持たせる細胞培養技術を確立したとして、シリーズAラウンドで1,300万ドル(約19億8,000万円)の資金調達を成功させています。

今回の提携にあたっては、ORF Geneticsの成長因子「MESOkine」を用いた生産プロセスの設計をスタート。この成長因子は、遺伝子組み換えを施したオオムギを用いて培養肉生産に特化して作られたもので、従来の高価な原料を用いる必要性をなくすことで低コストで倫理的な生産に寄与します。

参考記事:
ORF Genetics and Cellmeat Host “First Cultivated Shellfish Tasting Outside Asia” in Iceland
ORF Genetics and South-Korean Cellmeat | Seafood | Fish Focus

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