ヴィーガンアイスクリームを展開するKind KonesがEpic Angelsからの投資を獲得、アジアと中東での成長加速を狙う

シンガポールを拠点に植物由来の冷凍デザートを展開するKind Konesが、女性のみで構成される投資集団、Epic Angelsからの新たな資金を獲得しました。食品小売り業界のエンジェル投資家も、この投資ラウンドに参加しています。

自宅のキッチンから始まったヴィーガンアイスクリーム


Kind Konesは今回の資金調達により、東南アジアと中東、特にドバイ市場をターゲットに事業を拡大する計画。直営店とフランチャイズ店の組み合わせにより、成長を追い求めます。

同社は、創業者のSerina Bajajが2017年に軽度の乳糖不耐症を発症したことをきっかけにスタートしました。植物由来の冷凍デザートの選択肢が少なかったため、自宅のキッチンで小さなアイスクリームメーカーを使って、ナッツやココナッツミルクを使った乳製品フリーのアイスクリームを作る実験を開始。

当初、自家製アイスクリームを販売するつもりはありませんでしたが、ヴィーガンスイーツの市場に生じているギャップを埋めるべく、夫のIshpal Bajajと2人で会社を立ち上げこの分野を開拓することを決めました。

現在ではシンガポールとマレーシアで7店舗の直営店を有しているほか、ヒルトンやグランドハイアットなどのホテルグループを通じて製品を展開。オンライン販売も行っています。

製品づくりの上では手作りの品質を維持することを重視し、150種類以上のフレーバーを取り揃える製品群はすべて、乳製品、卵、人工添加物を使用していません。

昨年10月には、株式会社ユーグレナとのコラボで石垣島ユーグレナを使ったアイスクリームを数量限定で販売しました。

乳糖不耐症を引き金に市場が大きく成長


Epic Angelsは、600人以上の女性メンバーを擁するエンジェル投資家ネットワークとして知られ、投資対象となるのも経営幹部に女性を含むスタートアップ企業。

アジア太平洋とラテンアメリカに焦点を当て、資本、メンターシップ、グローバルなネットワークへのアクセスを提供しています。

投資額は1社あたり最大25万ドル(約3,600万円)。現在まで、さまざまな分野にまたがる34社に投資を行っており、その中には培養肉生産用の細胞株と関連技術の開発を手掛けるニュージーランドのOpo Bioも含まれます。

創業メンバーのMaaike Doyerは、「Kind Konesは植物由来のデザート市場を代表する製品を生み出しており、地域のパートナーと共に拡大を実現する、フランチャイズ主導の成長戦略を採っているため」と投資理由を説明しました。

冷凍デザートは、特にアジア太平洋地域で最も急成長しているセグメントの一つ。中でも植物由来の製品は、アジア人の大半ともいわれる乳糖不耐症が大きな要因となって急速に拡大しています。

参考記事:
Kind Kones Secures Funding from Epic Angels to Accelerate Growth in Asia and Middle East
How Kind Kones is dominating the plant-based ice cream industry | Tatler Asia
Kind Kones: How This S’pore-Based Vegan Ice Cream Brand Raised $1M

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