ドイツの植物性ドッグフードメーカーVEGDOG、66%の売り上げ増を受け約15億円の資金調達に成功

ベジタリアン対応のドッグフードとサプリメントで知られるドイツ・ミュンヘンのVEGDOGが、欧州での事業拡大を目的としてシリーズAラウンドで900万ユーロ(約15億円)の資金調達を行いました。
来年には欧州全域に拡大へ
このラウンドは、欧州循環型バイオエコノミーファンド(ECBF VC)と既存投資家のGreen Generation Fundが主導。植物性食品メーカーが資金調達に苦しむ中、創業10年の節目に累計調達額を1,370万ドル(約19億7,000万円)に拡大しました。
VEGDOGは昨年の売上高が前年比で66%増加し、1,000万ユーロ(約16億6,000万円)に到達。大きな成功を収め、今後数年間で最大80%の成長率を目指しています。
Tessa Zaune-FiglarとValerie Henssenが設立したVEGDOGは、ドライフード、ウェットフード、スナック、サプリメントの製品ラインアップを保有。獣医師との協力のもと、エンドウ豆、レンズ豆、その他の植物性タンパク質を原料に開発され、高い栄養品質が確保されています。
昨年にはドイツのバイオマス発酵スタートアップMicroHarvestと提携し、微生物タンパク質を使用した犬用おやつ「VEGDOG Pure Bites」を発売しました。
同社の製品は、ドイツとオーストリアでは、ウェブサイトまたはAmazonから購入可能。そのほか、FutterhausやZoo&Coなどの店舗でも購入できます。
今年は、ドイツとオーストリアの全土、さらにスイスとオランダへの事業拡大を計画しており、その一環として従業員数を2倍に増員する予定。2026年には欧州全域への事業展開も見据えています。
共同CEOのHenssenは、「当社のビジョンは、ほかの動物や環境を犠牲にすることなく、すべての犬が健康的な栄養を取れる世界を実現することだ。当社が成長すればするほど、犬の健康と動物福祉への影響は大きくなる」と語っています。
比較的堅調な植物性ペットフード
2024年、植物性食品企業の資金調達額は前年比で64%減少したにもかかわらず、植物性ペットフード業界ではこの1年間で概ね好調な成果が見られています。
植物ベースの食事がペットの健康に及ぼす影響を調べた研究結果が発表され、英国獣医師会(BVA)が植物由来のドッグフードに対する長年の反対を撤回。さらに、植物由来のフードが犬猫の気候変動への影響を軽減する最も効果的な措置であることが、いくつかの研究で示されています。
英国・ロンドンを拠点とする同業のペットフードメーカーOmniは、BBCのテレビ番組『Dragons’ Den』に出演して75,000ポンド(約1,460万円)の投資を獲得した後、3カ月間で2万人の新規顧客を獲得し、売上高が130%増加。
同じ英国のTHE PACKは、2024年上半期に前年同期比41%の成長を達成し、先日Prefera Petfoodに買収されました。
一方、創業8年目を迎えていた米国のWild Earthは、数年前から売り上げが減少。今年に入って大きく落ち込んだ上、ベンチャー投資家の確保にも難航したようで、破産申請に至っています。
参考記事:
VEGDOG | LinkedIn
Vegdog: German Plant-Based Dog Food Firm Raises $10M After Sales Grow by 66%
この記事へのコメントはありません。