CO₂からタンパク質を製造する米NovoNutrients、シリーズAラウンドで約28.4億円を調達
米国のスタートアップ企業NovoNutrientsが、パイロットプラントの開設に先立ち、シリーズAラウンドで1,800万ドル(約28億4,000万円)の調達を行いました。
遺伝子組み換えによらず菌株を最適化
今回のシリーズAラウンドは、オーストラリアのWoodside Energyと中国のCM Venture Capitalが主導。NovoNutrientsの累計調達額は2,700万ドル(約42億6,000万円)に達しました。
2017年に設立されたNovoNutrientsは、テーラーメイドの微生物株を使用し、CO₂と水素を供給して発酵させて、タンパク質に変換。
一部の製品については、微生物の安定性と効率性を向上させるために合成生物学を利用することなく、微生物自体の進化を促進することでより自然なプロセスを実現しています。
共同創業者でCEOのDavid Tzeは、「当社の菌株開発で最も重要なのは、遺伝子組み換えによらない自然な方法で、顧客の環境で利用可能な特定の混合ガスに合わせて菌株を調整できることだ」と語っています。
広がりを見せる代替ペットフード業界に進出
ガス発酵を手掛ける多数の企業の中でも同社の特徴は、大型の発酵タンクを使用しないところ。その代わりに、細長いループ状のシリンダーを使用し、ガスの混合に必要なエネルギー量を削減しています。
同社は現在、サンフランシスコのベイエリアにパイロットプラントを建設中。将来的に見込まれる商業規模の生産施設とほぼ同じ設備を用いて、試験生産を行う予定です。
当初は家畜と魚の飼料をターゲットとしていましたが、その後ヒトの食品用途へも事業範囲を拡大。現在ではペット向けの栄養分野にも進出し、昨年からペットフードメーカーとの協議を重ねています。
CEOのTzeによると、「ペットフード業界は代替プロテインの利点を早くから認識しており、例えば低アレルギー性のものなど、高付加価値の原材料に対してお金を払う意欲の高い市場もある」とのこと。
MeatlyやBioCraft Pet Nutritionのように培養肉の市場として見る動きも含め、ペットフードを持続可能な代替品で置き換える取り組みは、今後も勢いを増していくものと考えられます。
参考記事:
NovoNutrients Closes $18M Series A to Make Protein from CO2 for People & Pets
NovoNutrients tweaks its bugs to turn CO2 into protein for people and pets | TechCrunch
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