米UPSIDE Foods、培地や分析サービスを扱う子会社Lucius Labsの立ち上げでライフサイエンス分野へ進出

米国・カリフォルニア州に拠点を置く培養肉のパイオニア企業UPSIDE Foodsが、細胞培養技術の専門性を拡大し、ライフサイエンス分野を対象としたスピンオフ企業「Lucius Labs」を設立しました。
培地などのソリューションと分析サービスを提供
培養肉を手掛ける主要企業の一つが、食品分野を超えて事業多角化を進め、ライフサイエンス業界向けにサービス提供を開始しました。
分社化により新たに立ち上げられたLucius Labsは、各種の培地処方、バッファー(緩衝液)、幹細胞、そして分析サービスを提供して、企業の研究開発を加速させるとともにコスト削減を支援します。
ウェブサイト上に載せられたBob Newman(UPSIDE FoodsのCSO)のコメントでは、「従来のアプローチで作られた培地は時代遅れで非効率的、かつ高コストであることは周知の事実だ」と指摘。
「当社は培地開発を再発明する専門家チームを結集して、重大な障壁を解決した。性能を損なうことなく、低コストとカスタム処方の迅速な提供という多大なメリットを実現し、命を救う技術に膨大な可能性を解き放つ」と記載されています。
食肉から離れた事業で短期的な収益創出を狙う
Lucius Labsは、懸濁培養と接着培養の両方におけるパフォーマンス向上を支援。原料の特性評価と適格性判定における独自のアプローチでコスト削減を達成し、わずか2~4週間で顧客の要望に合わせてカスタマイズされた処方を生産できるとのことです。
同社の分析サービスでは、アミノ酸、ミネラル、その他数十種類の元素を含む63のターゲットを網羅する多様なアッセイ(サンプル中の特定の物質を検出・測定するラボ試験)を提供しており、これらの試験は通常の10分の1のバイオマス量で事足りるといいます。
UPSIDE Foodsのライフサイエンス分野への進出は、短期的な収益創出の手段となる施策です。同社は6億ドル(約924億円)以上を調達してきた世界で最も資金力のある培養肉企業ですが、2024年にレストランへの展開計画を中断して以来、製品販売は一切行われていません。
近年続く資金調達環境の悪化により、Believer Meats(UPSIDE Foodsと同様に米国で培養鶏肉の販売認可を取得)やMeatableなど、有力なスタートアップ企業も閉鎖に追い込まれる事態となりました。
非営利シンクタンクThe Good Food Institute(GFI)のElliot Swartzは、培養肉業界において「肉以外の製品やサービスから収益を得るという新たな潮流」が生まれていると指摘。
Meatableが閉鎖に先立って培養肉プラットフォームの一部を買収した英国企業のUncommon Bioは、事業戦略を転換し、治療薬事業に注力する方針に切り替えています。
参考記事:
Exclusive: UPSIDE Foods looks beyond cultivated meat to life sciences with cell culture media spin-off Lucius Labs
UPSIDE Foods spins out Lucius Labs to commercialize cell culture media expertise | PPTI News
Upside Foods: Cultivated Meat Leader Expands Into Life Sciences with Cell Culture Media Company


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