フィリピンの複数リゾートホテル、植物性食品の提供比率を30%に高める目標を設定

フィリピンのリゾートホテル業界で、植物性食品の提供比率を増加させる取り組みが活発化。持続可能な食を求める消費者と政府の動きに応じて、具体的な目標設定に踏み切る企業が複数現れています。
サステナビリティを追求する日系IR施設の動き
フィリピンの首都マニラにカジノを構える、アジア最大級の統合型リゾート(IR)施設Okada Manila(オカダ・マニラ)が、2028年までに植物性食品の提供比率を30%に高めることを約束しました。
持続可能な食品サプライチェーンの構築を目指す非営利団体、Lever Foundationの支援を受けて実施されるこの取り組みは、30ヘクタールを超える敷地を持つ同リゾートで、1日あたり2万人に上る宿泊客と1万人の従業員に影響を与えるもの。
使い捨てプラスチックの排除、余剰食品の救済と再分配、地元産の倫理的な食材の調達などを含む、以前から実施してきたサステナビリティ向上のための施策を補完する狙いです。
同時に、同じくカジノを備えたWinford Resort & Casino Manilaも、フードサービス部門で提供するメニューの30%を植物由来にする計画を発表。こちらは、より早い2026年初頭を目標に据えています。
今年実施された調査では、フィリピンの消費者の85%が、フードチェーンの健康と持続可能性を管理するため、食品会社が植物性食品の販売量を増やすべきだと考えていることが明らかになりました。
さらに、植物由来の製品は動物性タンパク質よりも健康的で持続可能だと考える人は90.8%に上り、回答者の83%が来年は植物性食品の消費量を増やすつもりだと答えています。
フィリピン政府も植物性食品を推奨
フィリピンの環境天然資源省(DENR)は、エコロジカル・フットプリントを低減する方法として、植物由来の食品をより多く食べるよう推奨。これに沿う形で、同国のホスピタリティ業界では、ほかにも植物性食品への移行を表明する企業が出てきています。
今年5月、マニラやセブなどの都市でホテルを展開するアスコットは、2025年までにメニューの20%、2027年までに30%を植物由来にすると約束。これも数カ月にわたるLever Foundationからの働きかけによるもので、環境負荷の削減、広がりを見せるゲストの嗜好への対応などが検討された結果です。
ちょうどその1カ月後には、IHGホテルズ&リゾーツとEco Hotels Philippinesが、2025〜2027年にかけて提供するメニューの30%を植物由来にすると発表。
前者は、クラウンプラザ、ホリデイ・インをはじめフィリピン国内で6つのホテルを運営しており、レストラン、ルームサービス、宴会メニューにまで植物由来のオプションを拡大する意向。後者は、地元発のホスピタリティ・ブランドとしては初めて、30%という目標に取り組むことを正式に表明しました。
Eco Hotels Philippinesの社長兼CEOを務めるAlessandra Atienzaは、「国産のホスピタリティ・ブランドとして、率先して模範を示すのが当社の信条。持続可能な食への取り組みを進めれば、より健康的で環境に優しい選択肢を求める需要の高まりに応えるだけでなく、責任ある観光への長年の献身を強化できるだろう」とコメントしています。
参考記事:
Several Hotels and Resorts in the Philippines Commit to Making Their Menus 30% Plant-Based
Okada Manila Becomes the Philippines’ First Integrated Resort Committing to 30% Plant-Based Dining – IssueWire
Lever Foundation | LinkedIn
Winford Resort & Casino Manila becomes first Philippines gaming complex to commit to 30% plant-based menu by 2026 – IAG
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