デンマークの代替肉メーカーMATR Foodsが、Novo Holdingsからの資金調達を実施

菌糸体、伝統発酵、アップサイクルした野菜を用いて持続可能な代替肉製品を製造するデンマークのMATR Foodsが、ライフサイエンス関連の投資を行うNovo Holdings(同国の製薬大手ノボ ノルディスクの親会社)からの初期投資を受けたことを発表しました(投資額は不明)。

高栄養・持続可能な代替食


MATR Foodsの主力製品である「MATR Fungi Patty」、「MATR Fungi Mince」は、低脂肪・高タンパクで肉と同様のアミノ酸プロファイルを持った代替食品で、牛肉より大幅に低いカーボンフットプリント(94%減)を強みにしています。

同社は現在、Gasoline GrillSticks’n’Sushiなどデンマーク国内の複数のレストランチェーンや、ネットスーパーのNemlig.comにも製品供給を実施。

新たな資本は、既存および新規顧客の需要を満たすため、生産能力と顧客基盤の拡大に充てられる予定です。

CEOのRandi Wahlstenは、「シェフや消費者から非常に高い評価を得ており、現在供給可能な量をはるかに上回る需要が存在している。当社のビジョンは、持続可能でクリーンな菌類を用いた食品技術をベースに、真にインパクトのあるグローバルな食品ビジネスを創造することだ」とコメントしています。

「つなぎ」の役割を果たす菌糸体


2021年にコペンハーゲンで設立されたMATR Foodsは、地元の農場から調達したオーツ麦、エンドウ豆(スプリットピー)、ルパン豆、ビーツ、ジャガイモという5種類のオーガニック食材に天然の菌糸体を加えて発酵させ、うま味としっかりとした噛み応えのあるパティやミンチに加工。

ここで菌糸体は「つなぎ」として機能し、発酵工程と相まって独特の風味を醸し出す効果があるとのこと。添加物や人工調味料の使用を避け、クリーンラベル製品の提供が可能になります。

伝統発酵とアップサイクル原料を利用した植物性代替肉製品を開発しているその他の企業には、オーツ麦と菌糸体を活用するスウェーデンのMillowや、油かすとビール酵母を利用する米国のPlanetariansなど。

いずれも、100%菌糸体をベースとしたQuornマイコプロテインなどとは少し異なるアプローチとなっています。

Novo Holdingsは世界有数のライフサイエンス投資会社であり、2023年末時点の総資産額は1,490億ユーロ(約26兆円)

ノボ ノルディスク財団とともに、バイオソリューションへの応用が見込まれる有望な発見に投資し、魅力的な財務リターンと社会へのプラスの影響の両方を生み出すような取り組みを行っています。

参考記事:
MATR Foods ウェブサイト
Novo Holdings Invests in MATR Foods’ Fungi-Powered Fermented Meat Alternatives

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