米Plantible FoodsがシリーズBラウンドで約46.3億円を調達、ウキクサ由来のタンパク質事業を拡大へ
米国・カリフォルニアのPlantible Foodsが、ウキクサ由来のタンパク質「Rubi Protein」の生産を拡大するため、シリーズBラウンドで3,000万ドル(約46億3,000万円)の調達を行ったと発表しました。
成長が早く、栄養素を豊富に含む植物性原料
栄養価に優れ、環境にやさしく、かつ美味しい食品を求めて藻類に着目する企業が増加しています。
中でも、淡水に生息し、水面に緑の絨毯を形成する水生植物レムナ(ウキクサ)は、地球上で最も豊富に存在するタンパク質といわれるRuBisCO(ルビスコ)を含んでいることから特に注目を集めてきました。米小売り大手Whole Foods Marketの2025年の食品トレンド予測でも、注目すべき原料として言及されているほどです。
水生であるため農地を占有せず、森林破壊の原因ともならず、大豆に比べて水の使用量を90%低減。そればかりか、多くの野菜よりも微量栄養素を多く含んでおり、消化率が高く、世界で最も成長の早い植物でもあります。
Sustainable Planet(英国)、GreenOnyx(イスラエル)、MicroTerra(メキシコ)、DryGro(ケニア)、Ful Foods(パキスタン)、Rubisco Foods、Rinus & Hans(オランダ)、Fyto(米国)といった各国のスタートアップ企業が、ウキクサ由来タンパク質の活用を進めています。
1年間で売上高10倍の目標を設定
Plantible Foodsは、このウキクサの商品化に成功した著名な企業の一つとして、Piva CapitalとSiddhi Capitalが主導したシリーズBラウンドでの調達を完了させました。Betagro Ventures(タイの食肉大手Betagro GroupのVC部門)、Cultivate Next(チポトレ・メキシカン・グリルのVC部門)なども新たな支援者として名を連ねています。
今回で累計5,700万ドル(約88億2,000万円)に達した調達資金を用いて、植物性代替肉やパン、焼き菓子など幅広い用途に使用できる「Rubi Protein」の生産能力を大幅に拡大させ、今後1年間で売上高を10倍に伸ばしたい考えです。
同社は、米国内に構える大型の養殖場で、淡水が常に循環するよう管理しながらウキクサを栽培。収穫後は、粉砕、ろ過、乾燥させて葉に含まれる純粋なタンパク質を抽出します。
最終製品は、タンパク質を85%含んだ白色無臭の粉末で、9種類の必須アミノ酸をすべて含有。植物性食品の乳化剤として機能し、ゲル化特性により植物性代替肉に用いるメチルセルロースなどの結着剤を置き換えられるほか、卵白の代替としても3分でツノが立つまで泡立てることができるといった機能性を誇ります。
参考記事:
The Next Climate-Fighting Superfood Could Come From Ponds – Bloomberg
Duckweed Protein Pioneer Plantible Foods Grows Budget with $30M Investment
Plantible Foods raises $30m Series B to scale duckweed protein, deliver on ‘multi-million dollar offtake agreements’
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