UPSIDE Foodsがフロリダ州での禁止法施行直前に、培養鶏肉の無料試食イベントを開催
米国で初めて培養肉製品の市場化に成功したUPSIDE Foodsが27日(日本時間28日)、フロリダ州マイアミで一夜限りの無料試食イベントを開催しました。
消費者の「食の自由」確保を主張
「食の自由」を謳ったこのイベントは、フロリダ州で培養肉の生産・販売禁止令が2024年7月1日より施行されるため、その前に同州の消費者に培養肉を味わってもらおうという意図がありました。
UPSIDE Foodsの創業者でCEOを務めるUma Valetiは、「培養肉は食の未来に欠かせないものであり、人々は自分の食卓に載せるものを自分で選ぶ権利を持つべきだ」とコメント。
フロリダ州で新たに施行される法律は「食品安全の専門家の意見を無視し、消費者の選択を制限し、米国のイノベーションを阻害するもの」であり、「雇用の創出や新たな産業におけるフロリダの可能性を後退させる」と語っています。
イベントでは、マイアミでレストランを経営するTVタレントのMika Leonによる培養鶏肉を用いたレシピと、ミクソロジストのGio Gutierrezによるドリンクが披露されました。
同社によると、培養肉が一般向けに無料で提供されたのは初めてとのこと。先着順で約100名に培養肉が振るまわれ、フロリダ州で正式に禁止される前の最後の「自由の味」となりました。
禁止措置は違憲との見方も
フロリダ州知事のRon DeSantisがこの禁止法案を可決したのは、5月1日。これをもって同州は、培養肉を違法とする米国初の州となりました。
その後、アラバマ州でも同様の法案が可決(10月1日に施行予定)されたほか、中部および南部の州を中心に規制が検討されています。
フロリダ州での法制定にあたっては、The Good Food Instituteをはじめとした培養肉業界のほか、米国最大の畜産業界団体である北米食肉協会(NAMI)からも非難の声が上がっていました。
今回のイベントは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、マイアミの物件を取り扱う不動産大手、Brick & Timber Collectiveとの共催によるもの。
同社のJesse Feldmanは、「州による培養肉の禁止は近視眼的な措置で、培養肉にとどまらず、バイオテクノロジーやライフサイエンスなどテック業界のエコシステム全体に損害を与える。このような政策に反対することは、この地域を活気あるテックハブとして守るために極めて重要だ」と述べました。
UPSIDE FoodsのCOOを務めるAmy Chenは、今後の展開に関して、「フロリダ州議会がこの法案を再検討し、撤回することを望んでいる。いずれにせよ、この禁止措置は違憲であり、最終的には裁判所がフロリダの人々の食の自由を回復してくれるだろう」と語っています。
参考記事:
UPSIDE Foods Hosts Free Cultivated Chicken Tasting Before Florida’s Ban
Here’s What Upside Foods Served at the Pre-Ban Cultivated Meat Party in Florida
Upside Foods to hold ‘world’s first’ free-of-charge cultivated meat tasting | The Cell Base
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