カナダ発の冷凍寿司ブランドKonscious Foods、約36.7億円の調達と同時に米国全土に拡大
カナダ発の冷凍ヴィーガン寿司ブランドKonscious Foodsが、シードラウンドで2,600万ドル(約36億7,000万円)の調達を発表。植物性シーフード人気の高まりを示す、多額の資金調達に成功しました。
Whole Foods Marketを通じ米国全土に小売り展開
Yves Veggie CuisineやGardeinを立ち上げたフランス人シェフ、Yves Potvinが創業したKonscious Foodsは、2021年に世界初の植物性冷凍寿司を発売。
オーガニックの野菜をはじめ、こんにゃく、エンドウ豆繊維、赤キヌアなどの食材を使用し、巻き寿司(カリフォルニアロール)・おにぎり・ポキボウル(ダイスカットした刺身を丼に盛ったハワイ料理)の3つのシリーズで10種類の商品を発売しています。
先日、米国最大のスーパーWhole Foods Marketで全国展開することを発表しており、今回調達した資金を小売りのマーケティング戦略展開と、カナダ・バンクーバーに保有する生産施設の運営費に充てる計画です。
持続可能性の問題に直面する水産業界
Global Market Insightsの予測では、植物性シーフードの市場規模は2022年に8億ドル(約1,130億円)を記録し、2023〜2032年まで5.5%の年平均成長率(CAGR)で成長する見込み。
しかしながら、食肉業界と同様に工業化が進む水産業界には、持続可能性に関する問題が山積しています。漁船の燃料使用や、有毒化学物質の流出による海洋汚染が懸念事項になっており、中でも主要な問題の一つが、水産物への需要増に伴う乱獲。特定の種の個体数が減ると、ほかの種が増えすぎることで生態系を変化させてしまい、生物多様性にとっての大きな脅威となります。
The Good Food Instituteでは、2022年時点で90%以上の水産品が「乱獲または最大漁獲能力で得られたもの」と推定し、「全水産資源の3分の1が枯渇に向かっている」と警鐘を鳴らしています*1。
Konscious Foodsのように、植物由来原料を使った生のシーフードを手掛ける企業は数少ないため、今後のさらなる技術開発と市場浸透が待たれます。
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