エンドウ豆由来のゼラチン代替品をカナダ・アルバータ大学のチームが発表

カナダ・アルバータ大学のLingyun Chen博士のチームが、エンドウ豆由来のタンパク質をベースに、新しい植物性のゼラチン代替品を開発したと発表しました。

偶然がもたらした発見


スープやソース、グミなどの食品の増粘剤として、また薬やサプリメントのカプセルの材料としても使われ、驚くほど私たちの生活に浸透しているゼラチン。ですが、ゼラチンの大部分が牛や豚、魚から作られることはあまり知られていません。

アルバータ大学の研究チームによると、現在特許申請中のこの新発見は、実験中にpH変化など特定の条件がゼラチンの生成につながることに気付いたことから、偶然生まれたもの。動物の軟骨や骨から抽出される従来のゼラチンを模倣し、食品業界に新時代を切り開く可能性をもたらしました。

ペクチンなど既存の植物性のゼラチン代替品と比較して、タンパク質含有量を向上させたことに加え、ユニークな「熱可逆性」が特徴。水を冷やしてできた氷を温めるとまた水に戻るのと同じように、液状とゲル状の間を容易に移行できるといいます。

食品用途での性能評価後、市場投入へ


「植物性のゼラチン代替品には、世界的に大きな市場がある」と、Chen博士は言います。新たな選択肢を求めるベジタリアン・ヴィーガンからの需要にとどまらず、食のハラール対応を求めるムスリムの増加や、持続可能なフードシステムに対する一般的な関心が高まっていることも背景にあります。

現在は、カナダ産のエンドウ豆を主原料として、植物由来原料を専門とする多国籍企業と共同研究を実施中。

Natural Products Canadaから約78,000ドル(約1,100万円)の資金援助を受け、エンドウ豆タンパク質をベースにしたゼラチン代替品の食品用途での性能を評価し、そのスケーラビリティをテストしています。低温殺菌など、ラボスケールでは通常行えない処理をテストし、これらをクリアすれば市場投入に大きく近づく見込みです。

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