オランダの精密発酵スタートアップViviciが、シードラウンドでの資金調達を完了
オランダの精密発酵スタートアップViviciが、アニマルフリー乳タンパク質の市場投入に向け、シードラウンドでの資金調達に成功したと発表しました。
オランダの細胞農業エコシステムをフル活用
Viviciは、DSM-Firmenich Venturing(以下、DSM)とFonterra Co-operative Group(以下、Fonterra)の合弁企業として、昨年末に設立。両社の長年の共同研究から生まれた知的財産を活用し、精密発酵技術により作られる乳タンパク質の商用化を目的としています。
DSMは、各種原料や素材などを手掛けるオランダの大手化学メーカー。Fonterraは、世界の乳製品輸出の約30%を生産し、「Anchor」ブランドなどを世界中に展開する、ニュージーランド最大の企業です。
すでに世界的なプレゼンスを持つ同社が精密発酵のカテゴリーに参入したことは、業界全体にとって大きな意味を持つ出来事といえるでしょう。
Viviciはオランダ・デルフトのバイオテクノロジーセンター、Biotech Campus Delftに本社を、NIZO Food Research社内に乳タンパク質研究所を構えるなど、オランダ政府が確保する投資環境を存分に活用。
バイオテクノロジーの伝統と細胞農業のエコシステムを備え、人材へのアクセスも良いオランダは、同社にとって理想的な拠点となっています。
オランダ政府は昨年、細胞農業に対して世界最大規模となる6,000万ユーロ(約91億2,000万円)の助成金拠出を発表。基礎研究・応用研究、生産施設のスケールアップ、優秀な人材へのアクセス確保などの支援を目的としており、国を挙げて細胞農業に注力する姿勢を示しています。
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