英Qkine、約22億円で新設された細胞農業製造ハブ「CARMA」と提携

培養肉生産に用いるアニマルフリーの成長因子などを開発する英国のQkineが、同国に今年新設された細胞農業製造ハブ「CARMA」との戦略的提携を発表しました。

英国政府最大の投資案件に参画


英・ケンブリッジを拠点とするQkineは、幹細胞やオルガノイド培養などのライフサイエンス用途向けに、高純度なアニマルフリーの成長因子、サイトカイン、その他の複合タンパク質を製造。生物学の基本的な課題やスケールアップの障壁に取り組み、グローバルな販売ネットワークを確立しています。

細胞農業製造ハブ「CARMA」は、従来の食品製造を補完する新たなアプローチを開発する学際的コンソーシアムとして今年4月に設立されました。

設立にあたっては、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の一部である英国工学・物理科学研究会議(EPSRC)が資金提供を実施。昨年の政府の食糧戦略で研究開発費として計上された1億2,000万ポンド(約220億円)の一部、1,200万ポンド(約22億円)を投資し、同国政府が代替プロテイン分野で行った単独投資としては最大規模のものとなりました。

CARMAにはバース大学のMarianne Ellis教授を筆頭に、バーミンガム大学や王立農業大学の専門家に加え、英国で培養肉を手掛けるHoxton Farms3D Bio-TissuesRoslin TechnologiesCellular Agriculture LtdIvy Farm TechnologiesQuest Meatなどの企業も参画しています。

細胞農業分野の基礎科学を発展させ、世界をリードする研究エコシステムを形成することを目的に、今後7年間にわたって活動予定。具体的には、実用的でスケーラブルな製造技術、システム、原料、スキルを開発・提供することで、将来の輸出増加や人材誘致なども見据えた長期的な効果を見込んでいます。

当初は培養肉の大規模生産と、持続可能なパーム油を精密発酵により生産する技術の開発に焦点を当て、将来的にはハブの規模拡大とともに、ほかの多くの細胞農業産品へも手を広げる予定です。

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