BSF EnterpriseとCellRevが、英国の培養肉生産を拡大する合弁事業の立ち上げを発表

英国のバイオテクノロジー企業BSF Enterpriseと、独自の連続生産プラットフォームを保有するCellRevが、培養肉の大規模生産のためのソリューション開発と市場化に特化した、合弁事業立ち上げの条件合意に至りました。

特許技術を有する企業同士の提携


BSF Enterpriseは、特許技術を保有する組織工学企業3D Bio-Tissues(以下、3DBT)と、ヒトの角膜を生合成するKeratoを100%子会社として所有する企業。

前者は今年、英国・ニューカッスルにある研究所で、培養豚ヒレ肉の生産に成功。同国に今年新設された細胞農業製造ハブ「CARMA」へ参画しているほか、中国の培養肉市場にも進出するべく、先日香港に拠点を開設しました。後者は、すでに数百万人の視力回復に役立つヒト角膜を製造しています。

一方のCellRevは、2019年にニューカッスル大学からスパンアウトした企業で、接着した細胞を継続的に増殖・剥離・回収する業界初のプラットフォームで特許を取得。また、流体管理ソリューションの世界的リーダーである米Saint-Gobain Life Sciencesと共同で、培地の再利用を促進する技術開発も行っています。

来年初めに新企業の設立を予定


両社はこのたび、合弁での新会社Cultivated Meat Technologies(以下、CMT)の立ち上げで合意。筋細胞の迅速・安価・持続可能な生産を可能にするCellRevの連続生産に関する専門知識と、3DBTの食肉組織形成ノウハウを組み合わせ、事業展開につなげます。

また、実際の生産においては、培養肉用の皮膚・筋肉・脂肪細胞の培養にすでに使用されている、3DBTのアニマルフリー培地サプリメント「City-Mix」を活用する予定。

CMTの目的は、スケーラブルで安価な培養肉生産に最適なプラットフォームを市場に提供すること。生産ノウハウや資本、サプライチェーンを有する既存の食肉生産業者とのライセンス契約を通じて、これを実現することを目指します。

同時に、効率的な流通と市場への浸透を狙い、地元の流通・小売業者との戦略的パートナーシップの構築にも取り組みます。

両社は、今後数カ月以内に合弁事業の法的条件を確定させ、CMTを正式に設立する計画。2024年度第1四半期にCMTで行う開発に関する詳細を詰め、戦略を示す予定としています。

参考記事:FOODTECH Joint Venture with CellRev

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