ニュージーランドのOpo Bioが、健康状態の良好な家畜から供給される豚細胞シリーズを発売

非遺伝子組み換え細胞株を開発するニュージーランド企業のOpo Bioが、培養豚肉生産用の豚細胞シリーズ「Opo-Oink」の発売を発表しました。

市場で不足する細胞の供給


「Opo-Oink」の最初のセレクションには、地元で家畜として飼育されている良好な健康状態の豚から供給される、サテライト細胞、脂肪前駆細胞、線維芽細胞などの初代培養細胞が含まれます。

同社では「倫理基準とトレーサビリティを重視しており、細胞を提供してくれる動物はすべて、ニュージーランド各地の提携農場で細心の注意と誠実さをもって飼育されている」といいます。

Opo Bioはオークランド大学で行った先行研究に基づき、Olivia Ogilvie(CEO)、Laura Domigan(CSO)、Vaughan Feisst(CTO)という3人の研究者が2022年7月に設立した、ニュージーランドでは初めての培養肉業界向け細胞株開発を手掛ける企業。

肉を育てる「種」となる細胞の供給は不足しているため、市場では需給ギャップが生じているとし、初代培養細胞や細胞株の供給にビジネスチャンスを見出しています。

細胞の採取と分離にかかる負担を軽減


2022年に150万ドル(約2億2,500万円)の資金調達を行いステルスモードから脱却したOpo Bioは、初の製品として研究用途のウシ細胞株「Opo-Moo」を発売。この製品群には、アンガス種と和牛種の個体から採取したサテライト細胞、脂肪前駆細胞、線維芽細胞が含まれていました。

同社の強みは、製品に加えて、顧客の研究・生産活動をサポートするさまざまなサービスを提供できること。一貫した結果が得られる標準プロトコルや手順、専門家による技術面でのサポート、最適な細胞培養条件を実現する正確なツールやリソースの提供などを行っています。

CEOを務めるOgilvieは、「初代培養細胞や細胞株を供給することで、培養肉分野の発展を加速させたい。研究者は細胞の分離に時間を費やすことなく、より大きな問題の解決に集中できるようになる」と語っています。

参考記事:
Opo Bio Introduces Porcine Cell Range Sourced From New Zealand “High-Health Status” Livestock
NZ’s Opo Bio Emerges From Stealth With $1.5M Seed for Cultivated Meat Ingredients

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