Tomorrow Farmsのアニマルフリー乳製品ブランド「Bored Cow」、全米のTarget店舗で取り扱い開始に
米国のTomorrow Farmsが、精密発酵乳タンパク質を使用したアニマルフリーの代替ミルク製品「Bored Cow」を、ディスカウントチェーンTargetの一部店舗で販売開始したと発表しました。
米国全土での販売が実現
Tomorrow Farmsが2022年から展開する「Bored Cow」は、カリフォルニアの精密発酵企業Perfect Dayの乳清(ホエイ)タンパク質を原料に使用したもの。
米国全土に1,800店以上を持つディスカウントスーパーTargetの一部店舗で、新たな期間限定のフレーバーを含む複数のSKUが導入されました。
Bored Cowシリーズは、5月にAlbertsons、Safeway、Sprouts Farmers Market、Fresh Thymeなど新たに2,000店舗に進出し、米国の50州すべてで販売されるようになりました。
その中でも、昨年1,000億ドル(約14兆7,000億円)を超える売り上げを記録したTargetは、同製品を取り扱う最大の小売店となっています。
健康・環境面でのメリット
Perfect Dayの精密発酵ホエイは、ビール醸造に似たプロセスで、発酵タンク内の微生物に糖分を与えて作られるもの。
代替ミルクの製品化においては、これにヒマワリ油、甘蔗糖(サトウキビ由来の糖)、シトラスファイバー、塩、天然香料、ゲランガム、アカシアを配合し、各種ビタミンとミネラルを強化しています。
オリジナルのフレーバーは、1本あたり8gのタンパク質と3gの砂糖、ビタミンDとB12、鉄分、カルシウム、カリウムを含有。通常の牛乳に含まれる乳糖やコレステロール、ホルモン、抗生物質は入っていません。
Bored Cowシリーズの成功を受け、Tomorrow Farmsは同ブランドから飲むヨーグルトも製品化しています。
同社はまた、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証である「B Corp認証」を取得。この一環として環境メリットを実証するため、外部の専門家と協力し、ISOに準拠したライフサイクルアセスメントを実施しました。
その結果、Bored Cow製品の生産では、従来の牛乳およびオーガニック牛乳と比べて、必要な土地を最大96%、水を最大67%減らすことが可能と判明。温室効果ガス排出量も最大44%削減できるとされています。
精密発酵製品の市場化が加速
2024年は、規制と市場参入の両面で、精密発酵にとって大きな年となっています。
Perfect Dayは、ユニリーバと提携して精密発酵ホエイを配合したアイスクリームを「Breyers」ブランドから発売。ネスレも同じく、精密発酵ホエイを用いたプロテインパウダー「Orgain Better Whey」を限定発売しました。
シンガポールのTurtleTreeは、Cadence Cold Brewとの提携で、アニマルフリーのラクトフェリンパウダー「LF+」を配合した機能性エスプレッソを製品化。
同社がその後発表したStrive Nutritionとの提携では新たな製品発売が計画され、Perfect Dayのホエイも併せて使用される予定となっています。
参考記事:
Bored Cow: Animal-Free Dairy Milks Now Selling At Target Stores Across America
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