米CytoNestが、培養肉・シーフード用の可食性3D足場を発売
米国・ジョージア大学発のスタートアップ企業CytoNestが、初の製品となる繊維ベースの3D足場「CytoSurge」を発売しました。
細胞の3次元的な成長をサポート
この新製品は、GRAS(一般に安全と認められている)原料から作られた可食性の構造体で、生体組織に安全に使用できるため、細胞研究、バイオ医薬品、培養肉・シーフードなどさまざまな用途に活用できます。
CytoNest独自の延伸技術により作られた極めて長い繊維を融着または重ね合わせることにより、培養細胞が接着・増殖するための立体的な足場を形作ることが可能になります。
同社によると、食肉が持っている自然の構造、細胞外マトリックスを模倣したこの足場は、培養肉の大規模生産に不可欠な「栄養の流れ」を生み出すとのこと。
細胞の3次元的な成長を高密度にサポートし、カスタマイズも可能。魚のフィレやステーキ肉のようなホールカット製品の生産に革命をもたらす可能性があるとされています。
ナノファイバーで足場を紡ぐ独自技術
CytoNestは、Nataraja Yadavalli(CEO)と、ジョージア大学で教授を務めるSergiy Minko(CSO)により2020年に設立されました。
足場技術の研究を続け実用的なプロトタイプを作製したMinkoの下で博士研究員を務めていたYadavalliが、ナノファイバー製の足場を作り出す画期的な繊維紡糸法を開発。
従来のエレクトロスピニング法を用いたナノファイバー製造技術との比較研究を行っている最中に、このイノベーションが生まれたといいます。
二人は、Innovation Gatewayの「NSF I-Corps」プログラムを通じて、この新手法で開発した足場の商業的可能性を調査した後、起業を選択。
Georgia Research Alliance、The Good Food Institute、米国農務省(USDA)からの助成金を得て、このたびの製品発売にこぎ着けました。
参考記事:
CytoNest ウェブサイト
UGA startup CytoNest Inc. launches first commercial product
CytoNest Unveils Edible 3D Scaffold for Cultivated Meat & Seafood
CytoNest launches first commercial product for cell-based meat production | The Cell Base
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