シンガポールのAnts Innovateが、培養豚脂肪「Cell Essence」を用いた料理の試食イベントを開催

ホールカット肉の培養肉開発に焦点を当てるシンガポールのAnts Innovateが先週、本格的な肉の風味の再現に寄与する機能性成分「Cell Essence」を発表。この原料を使用した代替肉料理の試食イベントを、国内で開催しました。

プラントベース + 培養脂肪のハイブリッド製品


Ants Innovateは試食イベントで、自社で展開する植物性代替肉ブランド「NouMi」の製品をベースに培養豚脂肪「Cell Essence」を加えた、ミートボール、小籠包、串焼きを披露。

串焼きには、同社独自の「SMILE(Scalable Micro-Imprinted Lapis Expansion)」技術で作り出した赤身肉のカットが使用されました。

イベントには、共催したEsco Asterのほか、テマセク財団、シンガポール企業庁(Enterprise Singapore)、報道機関のThe Straits Times、細胞農業界のGFI APAC、APAC Society for Cellular Agriculture(APAC-SCA)などが招かれました。

参加したAPAC-SCAのCalisa Limは、「細胞成分の割合が3%未満と少ないものの、従来の豚肉が持つ甘み、塩味、うま味を十分に味わうことができた」とSNSに投稿しています。

機能性原料のサプライヤーを目指す


Ants Innovateは、Hanry YuOng Shujianにより、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)からのスピンオフ企業として2020年に設立。培養成分や植物由来成分を用いて高級ホールカット肉を製造するメーカーに機能性原料を供給することを目指しています。

「食肉の風味を最大限に引き出す新技術」というCell Essenceは、肉に特有の風味と香りの成分を動物の細胞から抽出し、少量でも製品の官能的側面に大きな影響を与えます。

同社は、各種の非遺伝子組み換え細胞株を樹立し、シンガポール東部のBedok Food Cityに研究所とパイロットプラントを開設。

2022年には、エンドウ豆タンパク質、ジャックフルーツ、キノコなどを主原料に用いた植物性食品ブランド「NouMi」を立ち上げました。餃子、小籠包、春巻きなどの製品が、RedManShopでオンライン販売されています。

参考記事:
The Good Food Institute APAC | LinkedIn
Ants Innovate Unveils Cell-Based Ingredient that “Captures the Maximum Flavor of Meat”
Cell Essence: Singapore Cultivated Meat Startup Ants Innovate Holds Tasting Event for Hybrid Meat Ingredient

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。