韓国・慶尚北道に約15億円の公的資金を投じた培養肉研究センターの設置が決定、2027年にオープン予定

韓国で培養肉に対する規制当局の支援が強化されてきている中、政府から145億ウォン(約15億円)の資金援助を受け、慶尚北道の義城郡に細胞培養食品を専門に扱う研究センター「Food Tech Research Support Center」が設置される運びとなりました。

慶尚北道をフードテック産業の中心に


このプロジェクトは、農林畜産食品部(MAFRA)が行ったフードテック研究開発センターの建設コンペにおいて、細胞培養食品分野で義城郡が選ばれたことにより始まったもの。

慶尚北道以外では、全羅北道益山市(代替食全般)と全羅南道羅州市(食品アップサイクル)などに同様のフードテック支援センターが設立されています。

広さ2,660平方メートルの同センターは2027年にオープン予定。企業のプロセス開発や生産規模拡大、規制当局への認可申請の支援などを提供することを目的としています。

慶尚北道の李喆雨(イ・チョル)知事は、細胞農業を「持続可能な未来の食品産業のための革新的なソリューション」と呼び、「当センターにおける中核インフラの確立は、慶尚北道が韓国のフードテック産業の中心に躍り出る契機となるだろう」と述べました。

特区の設置で市場化に向けた調整が進む


新センターは、2023年にオープンした慶尚北道細胞農業産業支援センター(North Gyeongsang Cellular Agriculture Industry Support Center)の隣に位置し、どちらも昨年設置された培養肉特区(開発を行う企業に対する規制を一部免除した地域)内にあります。

センターの運営は慶北テクノパークが行い、60人の新規雇用により年間最大100kgの培養肉を生産できるシステムを構築する計画。前述した特区にも参加しているSeaWithMicro DigitalLMKなど11社が入居の意向を示しているといいます。

また、嶺南大学校と動物細胞実証支援センターがパートナー機関となっており、その他の研究機関や大手企業との提携も検討されています。

韓国初の培養肉の認可に向けた審査については、食品医薬品安全処(MFDS)で現在進行中。今年前半にも完了するものとみられ、Simple PlanetCellMEATへの認可が近いと予想されています。

市場が存在することを裏付ける世論調査のデータもあり、韓国人の90%が培養肉を試したいと考え、40%がスーパーマーケットやレストランでの販売に賛成しているとのこと。培養肉の普及を目指す慶尚北道の地元政府は、今後さらなる消費者啓発に力を入れる予定です。

参考記事:
South Korea to Open First Centre Dedicated to Cultivated Meat, With $10M in Public Investment
South Korea to establish first dedicated cultivated meat research centre | The Cell Base
For the first time in the country, the “Cell Culture Food Food Tech Research Support Center” will be.. – MK

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