フィンランドのFoodiq、乳製品フリーの食品加工プラットフォーム拡大に向け約16.3億円を調達

フィンランド・ヘルシンキに本社を置くフードテック企業Foodiqが、アジアと北米への事業拡大に向け1,000万ユーロ(約16億3,000万円)の資金調達を行ったと発表しました。
食品開発・加工における長年のボトルネックに対処
このラウンドは、著名な投資家であるSaeid BinzagrとMathias Kampradが主導。新たに得た資金によりFoodiqは、独自の「Multi-Layer Cooker(MLC)」技術を発展させ、人材を追加採用して世界市場でのプレゼンスを拡大させる計画です。
Foodiqの成長戦略の中核をなすこの特許技術は、食品メーカーが人工的な安定剤、増粘剤、乳化剤に頼ることなく新しい配合を迅速に開発できるよう設計された、食品加工プラットフォーム。
汎用性が高く、オーツ麦、麻、米、果物といった幅広い原料に対応し、ヨーグルト、プリン、チーズスプレッド、調理済みのスープやソースなど、さまざまな乳製品・代替乳製品の製造に適用できます。
従来の加工システムとは一線を画すメリットとして挙げられているのは、現地調達のサポートを提供することでフードマイレージ(食料の輸送にかかる環境負荷の指標)の削減に寄与すること。
また、研究開発のプロトタイピングからパイロット生産、そしてフルスケールの商業生産まで移行させられる拡張性を備え、高い処理能力で原材料から最終製品までを単一工程に乗せ、乳製品フリー製品の製造を合理化します。
需要の高まるクリーンラベル製品の実現へ
Foodiqは自社のMLC技術を、植物性食品の分野で、特に多様な地域の食生活ニーズに対応するための重要なイノベーションと位置付け。
高タンパクや低糖といった特定の栄養プロフィールを持つオプションなど、製品開発のカスタマイズを助け、欧米で需要が高まっているクリーンラベル製品を実現する柔軟性を付与します。
フードテック業界への投資の多くは伝統的に代替タンパク質に費やされてきましたが、MLCのような製造のためのインフラやツールも商業的な実行可能性を担保する上で不可欠とみなされるようになってきました。
Foodiqの共同創業者でCEOを務めるRobert Savikkoは、「今回の資金調達は、当社のビジョンとビジネスモデルに対する強い信任投票といえる。当社が誇る技術を世界を舞台に展開し、よりスマートでクリーンな、地元に根ざした食の未来の構築を支援したい」とコメント。
来年、アジアおよび北米の食品メーカーやブランドオーナーと提携し、新市場に進出する予定です。
参考記事:
Foodiq ウェブサイト
Finland’s Foodiq raises €10M to scale multi-layer foodtech – Tech.eu
Foodiq secures €10 million to expand MLC tech and target global dairy disruption | PPTI News
この記事へのコメントはありません。