英国のバイオテクノロジー企業CellRev、資金難を理由に事業撤退を発表

英国・ニューカッスルを拠点に細胞培養を最適化する独自の培地添加剤を生産していたCellulaREvolution(CellRev)が事業を停止し、資産売却のため管財人を選任しました。

CEOのChris GreenはSNSに投稿された声明で、商用化のマイルストーンを迅速に達成できず、シリーズAラウンドの資金を確保できなかったと説明しています。

細胞培養を最適化する酵素ソリューションを開発


CellRevは、ニューカッスル大学からのスピンアウトとして2018年に設立されて以来、業界のスケーラビリティ、品質、コストの障壁に対処するべく、新規酵素を用いる画期的なプロセスで細胞培養を最適化。60日間の連続培養が可能なプラットフォームの構築など、複数の目標を達成してきました。

救命治療の開発を加速する臨床試験用の組織生産にも取り組み、バイオファーマ、ワクチン製造業者、再生医療や培養肉業界のスタートアップ企業など、グローバルな顧客基盤を抱え価値の高い培地添加剤を供給しています。

主力製品だった酵素ブレンド「AggreGuard」は、培養中に細胞同士が凝集するのを防ぎ、細胞の成長を遅らせることなく収量を増やし、品質の向上と廃棄物削減にも役立つものでした。

同じく酵素ソリューションの「Continuase」は、連続生産時間を延長し、中断時間を削減することで、大規模生産における効率と費用対効果を一段と向上させるとうたわれています。

ライフサイエンス分野へのシフトにも失敗


創業後しばらくは順調で、2021〜2023年にかけては投資と助成金を合わせて468万ポンド(約9億2,900万円)を調達。製品発売に向けた戦略的パートナーシップを締結して、3種類の特許出願も行っていたものの、2022年後半からの業界全体の低迷によって大きな打撃を受けました。

2023年末には、英国のBSF Enterprise(細胞農業企業3D Bio-Tissuesの親会社)と提携して、培養肉の大量生産に特化した新会社の立ち上げに向けて動いていましたが、BSF Enterpriseは昨年末に完全な所有権を保持したままこの合弁事業から撤退。代わりに、英国や欧州の大手食品加工業者と組んで培養肉を生産する方法を探っていると報じられています。

CellRevも、2024年に試薬のみを開発する事業モデルとライフサイエンス分野に焦点を当て、培養肉から軸足を移そうと試みました。

しかしながら、日本企業のクラレと商業的パートナーシップを確保し、著名なBioTools Innovatorのアクセラレータープログラムへの参加権を獲得し、パイロット事業を進行中であったにもかかわらず、最終的に事業の継続は失敗。

9名いた従業員は全員が解雇になり、管財人が選定され資産の換価手続きが始まっています。

培養肉業界の資金調達額は、2021年にピークを迎えた後、2024年には前年比38%減少。今年はさらに厳しく、前半6カ月間の調達額はわずか3,500万ドル(約51億4,000万円)にとどまっています。

参考記事:
CellulaREvolution Limited (In Administration) – Hilco Valuation Services
Cell Manufacturing Innovator CellRev Enters Administration
UK Cultivated Meat Tech Firm CellRev Calls It Quits, Citing Funding Woes

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