米MycoTechnology、砂糖の2,500倍の甘さを持つハニートリュフ由来プロテインのGRAS自己認証を実施

米国のフードテック企業MycoTechnologyが、ハンガリー産ハニートリュフを原料とした精密発酵甘味タンパク質「Zukora」のGRAS自己認証を取得し、商業生産へのスケールアップを果たしたと発表しました。
糖質削減を助ける発酵ベースの代替甘味料
近年の糖質削減ブームで注目される代替甘味料の選択肢。砂糖よりもはるかに甘いため効率的で、摂取しても血糖値に影響を与えない原料を活用しようとする動きが高まってきています。
国際食品情報協議会(IFIC)が昨年実施した調査では、米国人の75%が積極的に糖分の制限や回避に努めていると回答。そのうち63%は特に添加糖をターゲットにしており、同じ割合の人が砂糖の摂取量についても懸念していました。
低カロリーまたはノンカロリー甘味料に対しては否定的な認識を持つ人も依然として41%いますが、2018年の45%に比べるとやや減少。一方で、これらの代替甘味料を好意的に捉える消費者の割合は、2018年の23%から27%に増加しています。
コロラド州に拠点を置くMycoTechnologyは、2023年にハニートリュフに含まれる甘味タンパク質を発見し、単離に成功しました。精密発酵の技術を用いて微生物にDNAを組み込み、発酵時にこの甘味成分を生成するように改変しています。
今回、「Zukora」と名付けられたこの甘味タンパク質について、第三者機関の安全性評価を取得して自らGRAS(一般的に安全と認められる)認証の要求事項を満たしていることを確認。
食品・飲料メーカーに自社原料を販売する道を開くとともに、パイロットスケールから量産バッチ生産へと拡大を果たしています。
その上、GRAS自己認証制度の存続が脅かされていることから、米国食品医薬品局(FDA)に正式な審査を求める書類も提出済み。グローバル規制・品質管理担当副社長のSue Potterによると、FDAは業務が立て込んでいるようで、GRAS通知の提出から「異議なし」レターの発行までは9〜18カ月を要する見込みとのことです。
使用コストは砂糖と同等、健康上のメリットも
MycoTechnologyは「Zukora」のほか、2種類の香味成分をすでに商品化しています。その一つの「ClearIQ」は食用キノコの菌糸体を用いたバイオマス発酵によるもので、製品の苦味や渋味(植物性タンパク質のオフフレーバーを含む)を軽減し、フルーティーで贅沢な風味を高める成分。
もう一つの「ClearHT」はハニートリュフに由来し、特定の好ましい風味を強めつつ清涼感を持続させ、焦げ臭さやスモーキーさ、ケミカルな風味を軽減します。昨年4月に香料向けの安全性認可「FEMA GRAS」ステータスを取得しました。
ハニートリュフを用いて新たに開発した「Zukora」は、オフフレーバーや苦味、不快な後味がなく、低糖・無糖チョコレートやプロテインバーから、機能性飲料や粉末サプリメントまで幅広い用途に使用できるとされています。
用途によって異なるものの、砂糖の主成分であるスクロースの最大2,500倍の甘味があるといい、小さじ1杯で最大216杯の砂糖を代替可能とのこと。使用コストは砂糖と同等であり、将来的に規模の経済を発揮できれば、その他の代替甘味料とも競争力を持つようになると予測されています。
健康上の重要な利点も複数あり、「これまでの研究で、腸内細菌叢に優しい成分であることが示されている。胃腸で分解され、日常の食品に含まれるタンパク質に似た一般的なアミノ酸に変化する、非常に消化しやすいタンパク質だ」とPotterは述べています。
同社はこれまでに2億2,000万ドル(約347円)を調達しており、コロラド州オーロラに86,000平方フィート(約8,000平方メートル)の施設を運営。製品開発や生産を検討している他企業に対して、B2Bの発酵サービスも提供しています。
参考記事:
MycoTechnology Cleared to Sell Honey Truffle Protein 2,500 Times Sweeter Than Sugar
MycoTechnology unlocks honey truffle sweet protein for sustainable sugar reduction


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