世界最大の食品会社ネスレが、気候に配慮したカカオフリーチョコレート「Choviva」を新製品に採用

世界最大の食品・飲料会社ネスレが、ドイツのフードテック企業Planet A Foodsと提携。同社のカカオフリーチョコレート「ChoViva」を採用した新商品「CHOCO CROSSIES Snack Vibes」を発売すると発表しました。
メーカーのZ世代へのアプローチを支援

ネスレの「CHOCO CROSSIES」ラインに加わった新製品は、クラシック、ヘーゼルナッツ、塩キャラメルの3種類のフレーバー展開。ドイツ国内で4月の発売が予定されており、100g入りで価格は2.79ユーロ(約510円)となっています。
いずれも従来のチョコレートではなく、Planet A Foodsの代替チョコレート原料「ChoViva」を使用したもので、Z世代をターゲットに設定。
気候変動の影響でカカオの収穫量減少と価格上昇が続く中、チョコレート原料への旺盛な需要と持続可能な製品への需要、両方に対応する狙いです。
Planet A Foodsの共同創業者でCEOを務めるMaximilian Marquartは、「ネスレとの提携は、ブランドの戦略パートナーとしての当社の役割を強化するものだ。ブランドが若い世代と直接関わり、未来の消費者との永続的な関係性を築けるよう支援していきたい」とコメントしています。
製品化事例が急速に増加、日本での小売り展開も

Planet A Foodsは「ChoViva」の製造において、ヒマワリとブドウの種子をベースに独自の発酵・焙煎工程を施し、カカオに似た風味や食感を生成。
これを植物由来の油脂、砂糖と混ぜ合わせることで、チョコレートをそのまま置き換える代替品として使える素材としています。
ヴィーガン対応品のほかにダーク、ミルク、ホワイトチョコレートのバージョンを用意。リンツやイオン(日本で昨年「チョコか?」を発売)のようなグローバル企業に加え、ルフトハンザドイツ航空、ドイツ鉄道、Kaufland、REWE、ALDI、Lidlといった国内のパートナー企業と提携し、ヨーロッパとアジアの10カ国で120種類以上の製品に使用されています。
2024年末には3,000万ドル(約47億3,000万円)を調達して、チェコに構える工場の年間生産能力を2,000トンから15,000トン超に拡大することに成功しました。
さらに、昨年末にはバリーカレボーとの商業的パートナーシップが実現。バリーカレボーはユニリーバ、モンデリーズ・インターナショナル、ハーシー、マース、そしてキットカットを展開するネスレにも原料供給を行っている、世界最大のチョコレートサプライヤーです。
日増しに高まる代替チョコレートの重要性
ネスレによる「ChoViva」の採用は、大手チョコレート企業にとってカカオフリーのソリューションの必要性が日増しに高まっていることを示す新たな事例です。
気候変動により、カカオの在庫は2024年に過去10年間で最低水準に落ち込み、価格は史上最高値を更新しました。二大生産国であるコートジボワールとガーナでは、1960年以降に森林面積の85%以上が失われており、科学者たちは2050年までに世界のカカオの木の3分の1が枯死し、世界的な供給不足につながる恐れがあると警告しています。
また同時に、チョコレート自体が食品に関連する気候危機の要因の一つになっているという側面も。カカオ栽培は広範囲にわたる熱帯林の破壊と関連しており、チョコレートは牛肉に次いで、生産に伴う温室効果ガス排出が多い食材です。また、水を大量に消費する産業でもあり、板チョコ1枚を作るのに平均1,700リットルの水が必要とされます。
対照的に「ChoViva」は、排出量を82~91%(チョコレートの種類により異なる)削減することが可能。これは、業界最大の排出源であり、世界の菓子市場の排出量の10%近くを占めているネスレにとって極めて重要です。
ネスレは、昨年大幅に値上がりしたカカオなどの主要原料の複雑な取引条件を理由に、2025年の年間売上高が2%減少したと報告。この問題を解決するため、カカオの収穫量を30%増加させる画期的な手法を開発するなどし、対策を練っています。
参考記事:
Nestle Partnership | Planet A Foods
Nestlé, Planet A Foods team up for cocoa-free brand launch
Nestlé, the World’s Largest Food Company, Adopts Climate-Friendly Cocoa-Free Chocolate
Nestlé adopts ChoViva as confectionery giants embrace cocoa-free solutions


この記事へのコメントはありません。