食肉世界最大手のJBS、約60億円を投じてブラジルに培養タンパク質のR&Dセンターを開設

ブラジルに拠点を置く世界最大の食肉企業JBSが、3,700万ドル(約59億1,000万円)規模の投資により建設を進めていた、微生物タンパク質や培養タンパク質の研究開発センターの完成を発表しました。
食品、サプリメント、精密栄養食品などの用途で活用が期待される機能性原料の開発に注力します。
既存の製品群に活用できる機能性成分に焦点
JBSは、ブラジル南部にあるサンタカタリーナ州の州都フロリアノーポリスに、動物、植物、微生物の細胞から培養されたタンパク質に特化した4,000平方メートルのバイオテクノロジーセンター「JBS Biotech」を開設しました。
食品業界における応用科学を研究する20の専門ラボを備え、バリューチェーンや技術開発サイクル全体を網羅しています。
代替肉など特定の最終製品ではなく、プロテインシェイク、シリアルバー、サプリメントといった同社の既存の製品群に活用できる機能性成分に重点を置いており、必須アミノ酸を豊富に含む高品質で栄養価の高いタンパク質を生産しながら、より効率的な生産モデルの構築も進める狙い。
新施設について、JBSのCEOを務めるGilberto Tomazoniは、「機能性タンパク質から、サプリメントや食品向けの新たな生物活性成分まで、あらゆるものを開発できる能力を備えている。単に完成品を製造するだけでなく、知識と技術を生み出し、概念実証プロジェクトを加速させ、将来の産業規模での応用への道を開くことが目標だ」とコメントしました。
同社は現在、生物学的サンプルの保存と管理を専門とするバイオバンクを構築している最中です。
また、従来のプロセスで発生し、現在副産物として扱われているものをマッピングして、新しい産業用途を見出すことにも取り組んでおり、循環型経済モデルの構築に注力。抽出やバイオコンバージョン* によって機能性タンパク質、サプリメント、生物活性物質といった価値ある成分を生み出します。
* 微生物や酵素など生物の力を利用して、価値の低い物質を高付加価値の物質へと変換する技術。
スペインにも培養肉工場の建設を計画中
JBS Biotechへの投資は、JBSがスペインのフードテック系スタートアップBioTech Foodsを1億ドル(約160億円)で買収したことから始まった、培養肉への投資の一環です。
この買収額の3分の1以上が新施設に投入されており、残りはスペインのサン・セバスチャンにおけるBioTech Foodsの工場(以前、世界最大の培養牛肉工場になると発表されていたもの)建設に充てられる予定。
2025年の培養肉セクターへの投資額が前年比で半減したと見積もられている中、世界最大の食肉生産企業がこうした取り組みを進めることは大きな意味を持ちます。
近年になって代替食品のポートフォリオを拡大しているJBSは、昨年ユニリーバから、植物性代替肉大手のThe Vegetarian Butcherを買収。既存の植物性食品ブランドViveraと統合させて、新たにThe Vegetarian Butcher Collectiveを設立しました。
JBS BiotechのCEOには、欧州組織工学・再生医療研究所(EXPERTISSUES)で博士研究員を務めた経歴を持つ化学エンジニアのFernanda Bertiが就任。「当社の使命は、バイオテクノロジーの知識を具体的な形にすることだ。科学を企業と社会にとって持続的な価値を生み出すソリューションへと転換したいと考えている」と語っています。
参考記事:
JBS inaugura centro de biotecnologia em SC e aposta em “superproteínas” | CNN Brasil
JBS launches cultivated protein R&D center in Brazil with US$37 million investment | PPTI News
JBS, the World’s Largest Meat Company, Opens $37M ‘Superprotein’ Centre in Brazil
JBS inaugurates biotechnology center to advance in the world of super proteins. – NeoFeed


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