マサチューセッツ大学アマースト校、州の資金援助を受けて約190億円規模の「食の未来」イニシアチブを始動

米国のマサチューセッツ大学アマースト校が、1億2,000万ドル(約188億円)規模の「食の未来イニシアチブ(Future of Food Initiative)」を立ち上げました。
この資金は、食品グレードの設備を備えたパイロットプラントを擁する36,000平方フィート(約3,340平方メートル)の研究棟や、新たな学際的研究センターの設置、さらには食品科学分野の教授職や研究助成費を含む5つの恒久的な基金の設立に充てられます。
2027年後半にパイロットプラントの着工を予定
この資金は、各3,000万ドル(約47億1,000万円)の4つの拠出分で構成されています。Paul ManningとDiane Manningの夫妻が自身のファミリー財団を通じて拠出するほか、マサチューセッツ州と大学がそれぞれ3,000万ドルを負担し、残る3,000万ドルは大学の財団(UMass Amherst Foundation)が調達することとなっています。
Paul Manningは同大学の卒業生で、現在は投資会社PBM Capitalの会長兼CEOを務める人物。今回の寄付は、同校の歴史上2番目に大きな規模の寄付だといいます。
2027年後半に着工予定の食品イノベーションハブには、パイロットプラントに加え、官能評価や臨床試験用のラボ、テストキッチン、そして共用の研究スペースも設けられる予定。製品や持続可能な製造プロセスの開発、消費者からのフィードバック収集・分析、食品関連の起業家向けトレーニングなどを行います。
このイニシアチブではまた、「食の未来センター(Center for the Future of Food)」を設立。大学の応用生命科学研究所(IALS)で所長を務めるPeter Reinhartが同センターを率い、食品科学、農業科学、栄養学などの学部と、IALSが有するトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の基盤を融合させる狙いです。
食分野の変革で中心的役割を担うマサチューセッツ州
マサチューセッツ大学は発表の中で、農業・食品分野が、過去10年間にわたり同地域で成長を維持してきた数少ないカテゴリーの一つと指摘。今後10年間で食品分野に変革をもたらすと期待される技術や動向として、新規タンパク質源、人工知能(AI)・ロボティクス、精密栄養学、高度な製造・包装技術などを挙げました。
西マサチューセッツ経済開発評議会(Western Massachusetts Economic Development Council)の報告書でも、食品科学、医薬品以外のバイオ製造、および食のエコシステムが、州全体にとって経済発展の主要な機会であると特定されています。
同州は、未来の食への政府支援においても先駆的な役割を果たしてきました。2024年には、経済開発法案を通じて、気候変動対策技術および代替プロテインに州として28億ドル(約4,400億円)を投じると表明。
業界最先端の研究成果を残している細胞農業センター(TUCCA)を擁するタフツ大学は、州の公的機関であるMassTechから210万ドル(約3億3,000万円)の助成を受けて、新たなイノベーションハブを今年開設予定です。
マサチューセッツ大学は、今回の取り組みがバイオ製造、再生可能エネルギー、動物用飼料といった関連産業を支援し、食品業界で活躍する人材をより多く育成することにつながると期待。
Paul Manningは「食はすべての人に関わるものであり、生産方法の改善、安全性や健康への配慮、そして食と人の健康との関連性の理解を深めることには大きな可能性がある。マサチューセッツ大学には、こうした課題に取り組み、さらに重要な点として、優れたアイデアを真のインパクトをもたらす解決策へと変えていくための人材と専門知識が備わっている」とコメントしています。
参考記事:
UMass Amherst Launches Historic, Transformational $120 Million Future of Food Initiative : UMass Amherst
UMass Amherst Lines Up $120M for Food Research Center and Pilot Plant
UMass Amherst Launches $120M Future of Food Initiative Backed By State Funding
UMass Amherst forges the ‘future of food’ with $120m investment


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