ドイツのProject Eadenが約24億円を調達、繊維技術でリアルさを追求した植物性ハムの発売へ
ドイツ・ベルリンを拠点とするスタートアップ企業のProject Eadenが、植物性代替肉の小売り発売に向け、シリーズAラウンドで1,500万ユーロ(約24億円)の調達を行ったと発表しました。
強みは繊維を「紡ぐ」独自技術
Project Eadenは、繊維産業からヒントを得た独自の紡糸技術を使いて、この上なくリアルな植物由来のホールカット肉を主流の消費者に向けて生産することを目指しています。
応募超過で終了したシリーズAラウンドは、Planet Aとドイツの小売り大手REWE Groupがリードインベスターを務め、DeepTech & Climate Fonds(DTCF)、Happiness Capital、AgriFoodTech Venture Allianceが参加しました。
既存投資家のFoodLabsとCreandumも再度の出資を行い、Project Eadenは2022年の創業以来、総額2,700万ユーロ(約43億3,000万円)を調達しています。
Planet AのChristoph Grasは、今回の投資について「調査によると、植物性食品は2035年までに世界の食肉消費量の11~22%を代替できる可能性があるが、味と食感の改善は必須。Project Eadenは、最も懐疑的な消費者にもアピールできる代替肉を生み出す新技術で、この移行をリードしている」とコメントしました。
ドイツで小売り展開を予定
Project Eadenは、今年半ばにドイツ国内で小売りデビューを計画しており、植物由来のハムが全国のREWE店舗で販売される予定。国内だけでも年間約27億ドル(約4,160億円)と試算される市場に進出し、続けて周辺諸国への展開も見据えています。
同社の製品開発の核となるのは、エンドウ豆タンパク質など植物由来原料の繊維を紡ぎ合わせることで、動物肉の筋繊維や脂肪を再現する技術。
繊維工学の博士号を持つDavid Schmelzeisenと元Zalando幹部のJan Wilmkingは、この技術によって味、食感、栄養プロファイルの面で動物肉に匹敵する製品を作り出しました。
環境影響を大幅に軽減できる点も魅力で、従来の食肉に比べて、製品1kgあたりCO₂換算で最大20kgの排出、56立方メートルの水、20平方メートルの土地の節約になるといいます。
Schmelzeisenは、「当社の技術は、肉の種類を問わず汎用性があり、安価で拡張性も高い。私たちの目的は、人々が頭を悩ますことなく、動物肉からの脱却を簡単に実現できるようにすることだ」と語っています。
参考記事:
Project Eaden’s Textile-Inspired Tech Raises €15M to Scale Next-Gen Whole Cuts
Scaling the future of meat: Project Eaden raises €15M to launch ultra-realistic plant-based ham in Europe – Tech.eu
Project Eaden raises $15.6m Series A to launch ‘ultra-realistic’ plant-based meat using fiber spinning tech
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