スウェーデンのcReal Foodが、国内にオーツミルクパウダーを製造する新工場を開設

オーツ麦ベースの食品原料を生産するスウェーデンのフードテック企業cReal Foodが、同国南部のスコーネ地方にある元Findus社の工場跡地に新たな生産施設を開設しました。

廃棄物ゼロの加工技術をスケールアップ


cReal Foodは、気候変動に耐性があり、持続可能な食料生産において大きな可能性を秘めているにもかかわらず、現在の食品用途では十分に活用されていないというオーツ麦に焦点を当てました。

同社はスウェーデン産のオーツ麦と水を使用し、廃棄物を全く出さない特許製法で加工を実施。

その結果得られるタンパク質、食物繊維、β-グルカンを豊富に含んだ栄養価の高いオーツミルクパウダーは、従来の粉乳の代替品として、アイスクリーム、ヨーグルト、チョコレート、チーズスプレッド、ベーカリー製品など多様な用途に利用できます。

量産化を助ける新施設は、親会社でスウェーデン最大級の同族経営企業の一つLindéngruppenをはじめとする投資家からの3億スウェーデン・クローナ(約46億1,000万円)の投資により実現しました。

内部は完全に自動化されており、国際基準のBRCGS食品安全規格に準拠するよう設計されています。

食品メーカーと共同での製品発売を計画


デンマーク技術研究所(Teknologisk Institut)が実施した事前ライフサイクルアセスメント(市場投入前の段階の技術に対してなされる評価)によると、cReal Foodのオーツミルクパウダーは、伝統的な粉乳と比較してCO₂排出量を最大78%削減できるとのこと。

EUでは脱脂粉乳の生産量が2025年までに150万トンに達するとの予測もある中、その代替品となるオーツミルクパウダーは近年、少量ずつ使用したい人や旅行中の人などのニーズにより、常温保存可能な選択肢として消費者からますます人気を集めています。

cReal FoodのCEOを務めるChristian Hjortholm Steffensenは、「当社は食品が作られる手法の改良に、持続可能性と栄養の両面から大きな機会を見出している」とコメント。「メーカーが変化する需要に対応しつつ、優れた味と手頃な価格を実現するためのソリューションを提供したい」と述べました。

食品メーカーとの共同開発により、今夏スウェーデンとデンマークの小売市場で製品発売を計画しています。

参考記事:
cReal opens new factory focused on plant-based food innovation – Lindéngruppen
Sweden’s cReal Food Opens New Facility Producing Oat-Based Alternative to Powdered Milk
Havreselskab åbner fabrik til over 200 millioner

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