豪Nourish Ingredientsが5億円超を調達、2024年後半の代替脂肪製品化を目指す
精密発酵により代替脂肪を開発するオーストラリアのNourish Ingredientsが、580万豪ドル(約5億2,800万円)の資金調達に成功したと発表しました。
オーストラリア政府からの助成金も得て、来年末の製品発売に向け、技術革新と人材育成に取り組んでいます。
低い含有率でも効果を発揮
2020年にJames PetrieとBen Leitaが共同創業したNourish Ingredients。昨年秋には、Horizons VenturesがリードインベスターとなったシリーズAラウンドで、2,860万ドル(約39億2,000万円)を調達しました。
同社CTO(最高技術責任者)のAnna El Tahchyは、「少量のココナッツオイルをより動物本来の油脂に近いものに置き換えることでも、感覚的な体験に大きく影響を与えられる。当社の最初の製品は、それを実現することに加えて原料としての効率もよく、非常に低い含有率(最終製品の1%未満)でも大きな効果をもたらすことができる」とメリットを強調しています。
また、共同創業者のPetrieは昨年、「精密発酵によるタンパク質生産では収量が大きな課題となっているが、脂肪に関していうと、当社では多くの脂肪を作るのに非常に適した菌株をすでに保有している。収量を増やすことよりも、生産される脂肪の特性を調整することが課題だ」と語っていました*1。
米国、次いでシンガポールで製品化を目指す
2024年後半の発売を視野に入れ、現在は製品化におけるパートナー候補との交渉段階だといいます。自社で大規模な発酵施設を保有する予定はないものの、次の資金調達ラウンドでは原料加工施設の建設を検討するとのこと。
いくつかの試食イベントでも世界中の顧客から好評を博し、米国食品医薬品局(FDA)およびシンガポール食品庁(SFA)への申請手続きを進めています。
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