米Miyoko’s Creameryがさらなるレイオフを実施、新CEO探しにも難航か

植物由来のバターやチーズで米国の消費者に親しまれているMiyoko’s Creameryで、12名の社員が退職合意により解雇されたと報道されました。同社では80名程度の社員を抱えているようですが、今年2月にも同様の規模のレイオフを行っています。

経営体制の刷新後、不透明な状況が続く


今回の人員削減は、マーケティング、SNS運用、研究開発、営業、倉庫管理、経理など多岐にわたったといいます。

Jon Blair暫定社長が6月末に退任して以来、同社は電話やメールの問い合わせに応じておらず、誰が経営に携わっているのかも公表していません。現職の社員全員がメディアに情報を漏らさないようにと厳重に通告されており、売却の準備に入っているとの情報も。

ブランド名にも冠せられた創業者のMiyoko Schinnerが、今年2月にCEOから実質解任され、訴訟に発展するなど騒動を巻き起こした同社。現時点では、その後の経営を担う有力なCEO候補が見つかっていない様子です*

裁判所の仲裁により和解


2022年3月にCFO(最高財務責任者)として入社したBlairは、昨年夏、戦略を巡る意見の相違を理由に創業者であるMiyoko Schinnerの解任が取締役会で決議されて以降、CEO代理の役割を担うこととなりました。

その後、Schinnerの継続的な役割に関して数カ月に及ぶ交渉が続いたものの、話し合いは決裂。取締役会は2023年2月16日付のプレスリリースで、全会一致でSchinnerの解任を決定し、「より大きなビジネスをスケールさせた実績を持つ」CEOを探すことを明らかにしました。

同日、同社はSchinnerが会社の知的財産を盗もうと画策しているとして、訴訟を提起。これに対してSchinnerは、「公然と女性を侮辱する発言をしていたある男性の幹部社員について人事に苦情を申し立てたところ、会社を追われた」と反訴しました。

裁判所への提出書類を通じて3カ月にわたる抗争が続いた後、両当事者は5月中旬にそれぞれの請求を取り下げる共同声明を発表しています。

* 2023.08.03追記:本記事の執筆直後、コカ・コーラやBeyond Meatで役員を務めたStuart Kronaugeを新CEOに迎えたとの発表がありました。

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