ドイツの原料大手Crespel & Deiters、Happy Plant Proteinの押出成形技術の拡大に向けた提携を実施

創業168年の歴史を持つドイツの原料大手Crespel & Deitersが、フィンランドのスタートアップ企業Happy Plant Proteinとの提携を行いました。植物性タンパク質を製造する乾式押出成形技術を、商業規模に拡大する目的です。

高品質な原料を欧州の食品メーカーに供給へ


2024年にVTTフィンランド技術研究センター(VTT Technical Research Centre of Finland)からスピンアウトして設立されたHappy Plant Proteinは、熱と圧力を加える「乾式押出成形」によって、豆類の粉末を直接、テクスチャード植物性タンパク質(TVP)へと変換。

これにより、従来の植物性タンパク質分離物に見られる苦味や豆由来のオフフレーバーの低減といった課題に取り組んでいます。

プロセス全体で水やエネルギーの使用を最小限に抑え、化学薬品を一切使わず、廃棄物を発生させません。多種多様な豆類や穀類に対応しており、最小限の設備投資で既存の製造ラインに組み込めます。

また、得られるタンパク質素材の食感や歯応え、機能性を加工中に調整できるため、メーカーは製品の要件に合わせたカスタマイズが行え、肉らしいしっかりとした構造から、より多孔質で柔らかい形状まで自在に作り分けることが可能です。

Crespel & Deitersとの提携により、同社傘下のECPが運営するオランダ南部ヘルモント(Helmond)の工場で、この技術の導入が始まりました。ここで作られた製品は、高品質なタンパク質原料の地元調達を模索する欧州の食品メーカーに供給される予定です。

Happy Plant Proteinの技術が欧州の大手メーカーによって商業規模で導入されるのは初。Crespel & Deitersにとっては、小麦を主軸としてきた事業領域を拡大する戦略の一環であり、両社の提携ではエンドウ豆やソラマメなど、複数の豆類を対象に取り組んでいます。

Crespel & DeitersでCSO(最高戦略責任者)を務めるPhilipp Deitersは、「ヘルモント工場では、当社の押出成形に関する専門知識を生かして技術のスケールアップを図る。欧州産の豆類を原料とした機能性が高くクセのないTVPを生産することで、より迅速かつ持続可能な形で、顧客のニーズに寄り添った製品を提供したい」とコメントしています。

EU全体の自給率向上にも寄与


Happy Plant Proteinは昨年、ソラマメを原料とするTVPを発表しました。これは100gあたり61gのタンパク質と9gの食物繊維を含み、代替肉製品などの構造や組成を向上させることができます。

今年4月にはラトビア企業のAgrofirma LOBEに技術のライセンス供与を行い、一部欧州連合(EU)の支援を受けて、現地に製造施設を建設するプロジェクトを開始しました。2027年初頭に稼働予定で、年間約5,000トンの生産が見込まれています。

同社は、その生産モデルがサプライチェーンの短縮と安定化を助け、農家に新たな収益源をもたらして生産地域の価値創造を強化すると主張しています。

欧州では今月、植物性タンパク質の輸入に対する依存度の低減を目指す「Protein Action Plan」を欧州委員会(EC)が発表しました。

ヒトの食料よりは家畜の飼料に重きが置かれているものの、豆類が多様かつ持続可能な食生活の重要な一部と認識。現状ではEUにおけるタンパク質摂取量のわずか2%を占めるに過ぎない豆類に関する啓発を行うとともに、域内企業を優先する「Buy European」キャンペーンに豆類を組み込む計画を立てています。

参考記事:
Crespel & Deiters Strikes Deal to Scale Up Happy Plant Protein’s Dry Extrusion Tech
Crespel & Deiters brings Happy Plant Protein’s dry extrusion to industrial scale | Newswire | Protein Report
Happy Plant Protein and Crespel & Deiters scale one-step dry extrusion technology for European TVP production | PPTI News

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