Savorが約52億円を調達、AAKと提携し炭素由来の代替油脂を用いた製品の開発へ

米国・カリフォルニアの代替脂肪スタートアップSavorが、3,200万ドル(約51億9,000万円)の資金調達を完了させました。このラウンドには、代替乳製品やベーカリー製品の開発で新たに提携した、スウェーデンの植物性油脂メーカーAAKも参加しています。
地球環境に配慮した地元産の特殊油脂
新たな資金調達により、Savorは年間数トン規模から数百トン規模へと生産を拡大することが可能になりました。同社のこれまでの調達総額は6,500万ドル(約105億円)に達し、将来的に1万トン規模の生産施設を建設するためシリーズBラウンドの資金調達も計画しています。
投資家の中には、特殊油脂分野で世界をリードするスウェーデンのAAKが含まれています。両社はこのたび、2年間の共同開発契約を締結。米国および欧州の市場を主なターゲットとして、「農業に依存しない脂肪」を使用した代替乳製品やベーカリー製品の開発と製品化を進めていきます。
従来のバターやパーム油を置き換えるこの脂肪は、排出源でピンポイントで回収された炭素、グリーン水素、メタンを熱化学プロセスで変換して作られるもの。昨年米国市場に投入され、サンフランシスコで製品化が実現しました。
現在、ミシュランの星を獲得したレストラン「ONE65」でチョコレートトリュフに使われており、また人気ベーカリー「Jane the Bakery」でも採用されています。
今回実現した協働では、Savorの独自技術と、AAKの配合に関する専門知識および商業インフラを組み合わせることで、地球環境に配慮した地元産の特殊油脂という新たなサプライチェーンの構築が可能になります。
サプライチェーンの安定性と環境負荷低減を両立

2022年創業のSavorは、ガスをアルカンと呼ばれる炭素鎖に変換し、温度と圧力を精密に制御しながらさらに脂肪酸へと変える技術を開発しました。
この脂肪酸をグリセロールと結合させて、食品や化粧品用途に使用できる高品質な短・中・長鎖脂肪酸トリグリセリド(SMLCT)を生成します。
出来上がった脂質は、濃度は異なるものの、従来の脂肪と化学的には同一。昨年、米『TIME』誌の「2025年の最も優れた発明」に選出された製品「EcoButter」の主な成分は、MLCTオイル、水、海塩、ヒマワリレシチン、天然香料、およびβ-カロテン(着色料)です。
Savorで上級副社長を務めるChiara Cecchiniは、「食品や消費財のメーカーは、サプライチェーンの安定性確保と、主要原材料の環境負荷低減という2つの課題に同時に直面し、多大なプレッシャーを受けている。今回の提携は、その両方の課題に対応した解決策を、最も必要としている顧客に向けて提示するものだ」とコメント。
AAKのR&Dを統括するKim Olofssonは、「Savorの技術プラットフォームは、農業や従来のサプライチェーンに依存しない、持続可能性に優れた新たな飽和脂肪酸の供給源をもたらしてくれる。当社の植物性油脂と組み合わせれば、多種多様な機能やソリューションに適した設計が可能だ」と述べました。
両社は、新しい代替油脂の採用によって、メーカーには長期的なコストメリットが生まれると主張。また、従来の油脂製品と比較して、生産に必要な土地面積は1,000分の1で済み、CO₂排出量を98%削減できるとしています。
参考記事:
Swedish ingredient giant AAK partners with and invests in alt oil and fats startup Savor
Savor Raises $32M, Partners with AAK to Create Dairy Alternatives & Baked Goods with CO2-Derived Fats
Savor partners with AAK to accelerate commercialization of carbon-derived fats | PPTI News


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