タイ・ユニオン傘下のPetit Navire、Algama Foodsとのコラボで植物性シーフードを発売

水産加工大手タイ・ユニオン(Thai Union)傘下のフランスのシーフード企業Petit Navireが、微細藻類を用いた製品開発を手掛けるAlgama Foodsと提携し、代替魚製品「Cap Végétal」を発売しました。

植物性タンパク質に藻類オイルをプラスした代替魚


Cap Végétal」の名前で発売されたのは、オリーブ&オレガノ、レモン&タイム、トマト&ハーブで風味付けした3種類の植物性代替魚のマリネ缶詰。

小麦と大豆のタンパク質に藻類オイルとアオサを加えて作られた、タンパク質とオメガ3脂肪酸を豊富に含む製品です。

さらに、豆類やピーマン、カボチャの種、トウモロコシなどと代替魚を合わせた2種類のサラダも展開し、今月よりフランス国内のカルフール限定で発売されました。

Thai Union Europeの代替プロテイン部門を統括するJon Burtonによると、栄養価と美味しさを兼ね備えたこの新製品の開発には3年近くを要したとのこと。「欧州各地のチームと緊密に協力し、それぞれの市場の特性を考慮したレシピを開発している」と述べています。

持続可能性向上のため代替プロテイン事業に注力


2022年、タイ・ユニオンは米国子会社のChicken of the Seaを通じて、米国の植物性シーフードブランドThe ISH Food Companyとの連携を発表。その目的は、従来のシーフード企業のマーケティング・流通チャネルを活用して、持続可能な植物由来の代替品に投資し、消費者がこれらの製品を入手しやすくすることでした。

昨年には、166年の歴史を持つ英国の子会社John Westから、植物由来の代替マグロを発売しました。これはタイ・ユニオン初の代替プロテイン製品のブランドとなり、同社の事業における「大きな節目」と評されています。

これらに加えて、持続可能性の目標達成に向けて代替プロテイン事業をさらに成長させるべく、Algama Foodsへの投資を決断。昨年完了したラウンドで総額1,300万ユーロ(約21億4,000万円)を調達したAlgama Foodsは、製品化を加速させ、ベルギーにバイオリファイナリー(バイオマスを原料に有用物質を生産する施設)を開設する計画としていました。

同社の主力製品「Tamalga」は、製パン・製菓で卵の代わりに使用することができる原料。「Seafood Algternative」という製品ラインも開発中で、代替サーモンやマグロを提供する予定です。

タイ・ユニオンは過去、別の藻類原料メーカーMara Renewables Corporationにも投資しており、そのほか細胞培養によりシーフードを開発するBlueNalu、培養肉を手掛けるAleph Farmsとも関係を築いています。

参考記事:
Petit Navire | LinkedIn
French Seafood Brand Petit Navire Launches Plant-Based Range in Collaboration With ALGAMA Foods
Seafood Giant Thai Union Invests in French Microalgae Producer Algama Foods

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