ハワイ発のKuehnle AgroSystems、藻類由来アスタキサンチンの生産拡大に向け数百万ドルの資金を調達

米国・ハワイを拠点とする藻類バイオテクノロジー企業のKuehnle AgroSystemsが先月、暗発酵によるアスタキサンチンの持続可能な生産を拡大するため、シリーズBラウンドで数百万ドル規模の投資を確保しました。
水産飼料とサプリメント用途で市場化を目指す
今回のシリーズBラウンドはIchthus Venture Capital(IVC)が主導し、既存の出資者であるS2G InvestmentsとHatch Blueに加え、新規投資家としてDest EOODが参加しました。Kuehnle AgroSystemsは直近では、2024年に300万ドル(約4億7,300万円)の調達を行っています。
新たに得た資金は、研究開発体制の強化、暗発酵によるアスタキサンチン生産の拡大、および世界各国での認可取得の推進に充てる予定。水産養殖におけるサケ用飼料や、ヒト向けの栄養製品など、成長著しい市場への供給を目指しています。
その実現に向け、同社は持続可能な原料の供給を手掛けるオランダ企業Cobionと連携しています。藻類由来原料や産業用発酵に関するCobionの専門知識は、技術開発から商業化へと移行する上で重要な役割を果たします。
Kuehnle AgroSystemsのCEOを務めるClaude Kaplanは、「今回の投資により、生産規模の拡大と商業パートナーシップを加速させ、持続可能でコスト競争力のある天然アスタキサンチンを、世界の水産養殖およびヒト向け栄養市場に提供できるようになる。この技術が、天然アスタキサンチン市場を根本から変革すると確信している」とコメントしました。
同社は今年フランスのBioréaとも提携して、暗発酵を用いたオレオレジン(樹脂と精油の混合物)形態の天然アスタキサンチン生産を、産業規模で実証することに成功。生産コストを劇的に変革するための技術的基盤を確立しています。
従来の手法を上回る「暗発酵」プロセス
微細藻類、酵母、そしてサケやエビなどの海洋生物に含まれるカロテノイドの一種である赤色色素のアスタキサンチンは、強力な抗酸化作用を持ち、ヒトや動物の健康に種々の恩恵をもたらします。
例えば魚の飼料に添加すると、健康状態の最適化、繁殖能力や環境耐性の向上、免疫機能の強化、ひいては全体的な生産性の向上が図れ、ヒトに対しては炎症の抑制、活性酸素の無害化、脳や心臓の健康維持、免疫力向上、皮膚のダメージ修復などに役立つサプリメントとして利用されます。
世界のアスタキサンチン市場は20億ドル(約3,150億円)規模に達しており、今後10年間で年率15%の成長が見込まれているとのこと。
天然アスタキサンチンは、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)という微細藻類に最も高濃度で含まれています。Kuehnle AgroSystemsは、光を当てずに行う「暗発酵」と特許取得済みの藻類株を活用して、迅速かつ高収率のアスタキサンチン生産を実現しました。
同社は、最小限の土地と水の使用で最大限の純度と品質管理を確保するため、従来の汎用発酵タンクを使用しています。このプロセスにより、光を必要とする従来の藻類培養手法に比べて、はるかに高い生産量と大幅な低コストを実現でき、供給の安定性を高めるとともに、急増する需要への対応が可能になりました。
具体的には、標準的な技術(フォトバイオリアクターやオープンポンドでの生産)と比較して、エネルギー、水、土地の使用量を10分の1に削減。生産コストを数分の一に抑え、純度の高い高品質な藻類バイオマスおよびアスタキサンチン抽出物を生み出しています。
参考記事:
Kuehnle AgroSystems | LinkedIn
Hawaiian Startup Bags Multi-Million-Dollar Funding to Scale Fermentation-Derived Astaxanthin
Kuehnle AgroSystems nets multi-million funding for dark fermentation astaxanthin
Can dark fermentation reshape the natural astaxanthin market?


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