培養肉の研究機関New Harvest、オープンソースのバイオリアクターの設計を公開
培養肉の研究を行う米国の非営利団体New Harvestが、オープンソースのモジュール式灌流型バイオリアクターの設計を公開しました。急速に進化する分野に合わせて成長できるよう、誰でも改作が可能なシステムとなっています。
体内の循環を模倣した灌流型リアクター
米国のJason Mathenyにより、培養肉関連の初の研究機関として2004年に設立されたNew Harvest。知的財産を占有するスタートアップ企業への投資よりも、オープンソースの基礎研究による技術の確立を重視しており、奨学生への支援プログラムなども実施しています。
このプロジェクトは当初、2017年にNew Harvestの研究者Jess Kriegerが、カナダのブリティッシュコロンビア大学で機械工学と材料工学を研究する学生からなるチームを結成し、3D培養肉生産に焦点を当てたバイオリアクターのプロトタイプを設計・構築する取り組みとしてスタートしたもの。
その後、オープンソースのハードウェア開発を専門とするスロベニアの組織IRNASや、マリボル大学バイオメディカルサイエンス研究所(Institute of Biomedical Sciences)とのコラボレーションへと発展しました。
オープンソースで使用や改作を奨励
組織全体を初めから3Dで培養できるよう特別に設計されたバイオリアクターは、従来のようなステンレス製のタンクではなく、既存のインキュベーターに追加で設置が可能な灌流システムを採用。
体内で血液が栄養素と酸素を絶え間なく供給する循環システムを模倣し、栄養素の供給と老廃物の除去をコントロールできる構造となっています。
New Harvestは、新システムの設計をGithub上で公開すると同時に、オンラインフォームで名称を募集。参照元としてオリジナルに言及し、オープンソースライセンスの下で共有することを条件に、ほかの研究者に使用や改作を奨励しています。
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