独Veganz Group、2Dプリントしたオーツミルク「Mililk」の生産拡大のため約16億円を調達
ドイツの植物性食品メーカーVeganz Groupが、米国のファミリーオフィスGlobal Corporate Finance(以下、GCF)との証券売買契約を締結し、最大1,000万ユーロ(約16億円)の出資を確保したと発表しました。
革新的な代替ミルクの生産能力を5倍に
Veganz Groupは昨年、2Dプリントしたシート状のオーツミルク製品「Mililk」を発表。ブレンダーで水と混ぜるだけで、場所を問わず30秒でオーツミルクを作れるという、ユニークな製品です。
GCFとの契約では、30カ月間にわたる柔軟な資金使途がVeganz Groupに認められており、同社はこの革新的な代替ミルクの製造工程を最適化・自動化することで生産能力を5倍に高め、需要の増加に対応したい考え。
また、エンドウ豆タンパク質をベースにした代替肉製品「Peas on Earth」の生産拡大にも資金を活用する予定です。
同社は昨年9月にも、米国企業のVeGreatから出資を受けました。両社は、中東のドバイでタンパク源となる作物の垂直農法プロジェクトを立ち上げるため、合弁事業として「OrbiFarm」を立ち上げています。
国内の小売り中心に展開を進める
昨年7月にMililkの製造をスタートさせたVeganz Groupは、10月に「Mililk Oat Barista」を発売。原材料に発酵オーツ麦、水、菜種油、オーツ麦繊維、ローカストビーンガム(安定剤)、海塩、ブルボンバニラ(香料)を使用した製品です。
今年4月にドイツの小売業者REWE Groupへの供給を開始し、「Food For Future」および「REWE Bio」のブランド名で、系列店舗を含めると国内の5,700店以上で販売されています。
先月には、ドイツ国内の工場で約1,000平方メートルの新しいスペースを割り当ててMililkの製造を拡大すると発表。この拡張により、1日あたり5万リットルの製造が可能になる予定としていました。
また、現在のオーツ麦をベースとした製品に加え、アーモンドミルクの開発にも取り組んでいることを明かしています。
シート状オーツミルクのメリット
Mililkが通常のオーツミルクと比べて際立っている点が、環境フットプリントの低さと使い勝手の良さ。
オーツ麦のベースを乾燥させシート状に印刷することで、パッケージに必要な材料を90%削減(一般的なオーツミルクに使用されるテトラパックと比較)。重量も80%以上減らし、輸送コストとCO₂排出量の削減を実現しました。
シートの状態では長期保存がきき、その時々に必要な量を正確に作ることができる(シート1枚あたり250mL)ため無駄なく使え、フードロス削減に寄与します。
また、カスタマイズにも適しており、加える水の量を調節することでペースト、クリーム、ミルクなど異なる濃さに仕上げることが可能です。
参考記事:
Veganz Secures €10M to Scale Production of Mililk 2D-Printed Milk Alternatives
Veganz Group Churns Up €10M in Funding to Expand Production of Its 2D-Printed Oat Milk
Veganz Group AG: Veganz Group AG secures equity financing of Euro 10m to expand its Mililk® production capacities | Ad-hoc – EQS News
Veganz Group AG and VeGreat LLC establish joint venture OrbiFarm® in Dubai. | Corporate – EQS News
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