フランスの植物性代替肉メーカーLa Vie Foods、40億円超の調達とヴィーガンミートボール発売を発表

フランス・パリの植物性代替肉メーカーLa Vie Foodsが、2,500万ユーロ(約40億7,000万円)の調達と、新製品となるヴィーガンミートボールの発売を発表しました。

業界の停滞とは真逆の成長を続ける


今回のラウンドでは、参加したZintinus、Sparkfood、Michel Larroche、Arnaud Bachelierのほか、3,000人以上からクラウドファンディングで資金を集めました。

小売店での人気上昇と外食分野での事業拡大により広く投資を募ることに成功し、2年前に同額を調達したラウンドに続いて、累計調達額は5,000万ユーロ(約81億4,000万円)に達しています。

資金調達に伴い、同社は新製品となるヴィーガンミートボールの発売をアナウンス。イタリア風とスパイシーなアジア風の2種類の製品は、いずれも200g入り3.9ユーロ(約630円)で、今月末よりカルフールなどフランス国内の小売店で販売されます。

創業5年のLa Vie Foodsは、ヴィーガンベーコンの発売とバイラルで奇抜なマーケティング戦略で注目を集め、ハムやサンドイッチにもラインアップを広げてきました。これらの製品は消費者、外食業者、批評家をも感心させ、現在ではピザハットを含む欧州全土の8,200を超える店舗で販売され、主力商品のベーコンでは24の賞を受賞しています。

同社の売り上げは過去12カ月で192%の伸びを見せ、2024年の売上目標は1,900万ユーロ(約30億9,000万円)。昨年の760万ユーロ(約12億4,000万円)から大幅な増加を見込んでいます。

ニーズの高まるフランス・英国市場で拡販へ


フランスで人気のある肉をよりヘルシーに、倫理的な形で提供するLa Vie Foodsの製品は、地元の消費者の共感を呼んでいます。

昨年EU全域で実施された調査では、フランス人消費者の60%近くが前年に肉の摂取量を減らしたと回答し、その主な理由は「健康」(回答者の38%が選択)。

また、先月行われた世界的な気候変動に関する世論調査では、フランス人の57%が肉食を減らすための政策を支持するとの結果が得られました。同社の売り上げ増加は、こうしたトレンドを反映したものとなっています。

同社は今後、フランスと英国でのプレゼンスを拡大する計画。今年だけでも、フランスのピザハット、東京にも店舗を展開するパリ発のブーランジェリー、メゾン・ ランドゥメンヌ、人気スーパーMonoprixの店内でサラダバーを展開するPicadeliに採用されました。英国では、Sainsbury’sの店舗にスモークハムを導入したばかりです。

フランスでは昨年、植物性代替肉のラベル表示に食肉関連用語の使用を禁止する内容の政令案が出され議論を呼んでいましたが、今月、欧州連合(EU)の最高裁にあたる欧州司法裁判所(ECJ)がこの政令の制定を退ける判決を下しました。

これにより、La Vie Foodsは今後も自社製品を「ベーコン」「ハム」「ミートボール」と呼び続けることが可能に。同政令はこれから国内で再度の審議に入りますが、当面はラベル変更などに多大なコストを費やさずに済んでいます。

参考記事:
‘La Vie est Belle’: French Vegan Meat Maker Doubles Funding Pot with €25M Investment, Rolls Out Meatballs
Vegan Brand La Vie Says Pigs And Ham ‘Can Be Friends’ In New Ad

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