米Big Idea Venturesが新会社Nexture Bioを設立、培養肉生産に用いる足場の構造化技術の確立へ

米国の投資会社Big Idea Venturesが、同社が運営する「Generation Food Rural Partners Fund(GFRP)」を通じて、3番目の投資先企業となるNexture Bioの立ち上げを発表しました。

足場などの画期的な生体材料技術を開発


GFRPとは、農業・食品・タンパク質分野におけるイノベーションに焦点を当てた知的財産を評価し、広範な商用化の可能性が最も高い研究をコアに持った新会社の設立に対して、投資を行うもの。

設立された新会社は農村地域に本社を構え、経済成長と発展の原動力となる雇用を創出します。

これまで、今年8月に食品包装などのプラスチックを減らす新素材を開発するTerraSafe Materials、11月に石油系接着剤の代替品を開発するBioBond Adhesivesが、立て続けに設立されていました。

3社目となるNexture Bioは、代替肉製品を進化させるような新技術を開発する企業。従来の肉により近い立体構造のホールカット培養肉の生産を可能にする、足場などの生体材料技術を専門とするものです。

GFRPのFrank Klemensは、Nexture Bioの技術について、「食べられるか、もしくは最終製品中に残らないような足場の構造化を可能にする、画期的なものだ」と説明しています。

足場技術は培養肉業界の進歩に必須


培養肉の生産には、細胞同士をつなぎ合わせて組織化し、成長・分化を可能にするプラットフォームが必要。Nexture Bioのプラットフォームはこれらすべてを実現し、世界中の培養肉サプライヤーが、それぞれの市場や製品の特定のニーズに対応できるよう支援します。

会社設立にあたり、同社の取締役会はTeryn WolfeをCEOに任命。彼女は以前、代替プロテイン業界向けに細胞外マトリックス* を供給する企業、Matrix Food TechnologiesのCEOを務めていました。

Wolfeは、「培養肉業界はこの数年、多くの障害や技術的課題、周囲の悲観的な見方にもかかわらず、信じられないほどの進歩を遂げてきた。この進歩を維持し、業界全体の目標を達成するためには、細胞外マトリックス(足場)のような技術の実現に焦点を当てる必要があると確信している」とコメント。

「Nexture Bioで経験豊富なチームメンバーとともに、業界の規模拡大、多様化、そして世界により持続可能な動物性タンパク源を提供するための技術開発に取り組めることを嬉しく思う」と語っています。

* 生物細胞の外に存在する不溶性物質で、細胞を培養する際、細胞を付着させる天然の足場として機能する。

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