米Meati Foodsが約155億円を調達、代替プロテイン業界で2022年以来最大の投資に

米国・コロラド州に拠点を置くMeati Foodsが、シリーズC1ラウンドで1億ドル(約155億円)の巨額調達を完了させました。

代替プロテイン業界におけるスタートアップ企業の調達としては、2022年7月に同社が行ったシリーズCラウンドの1億5,000万ドル(約233億円)以来、最大となります。

増加するバイオマス発酵企業の資金調達


菌糸体ミートを開発するMeati Foodsは、2017年の設立以降の累計調達額を3億6,500万ドル(約567億円)に伸ばしました。

最新のラウンドはGrosvenor Food & AgTechがリードインベスターとなり、Prelude Ventures、BOND、Revolution Growth、Congruentなどが復帰しています。

先日新たにMeati FoodsのCEOに就任したPhil Gravesによると、同社は新たな資金を「高成長の勢いを維持し、全米の取り扱い小売店舗を増やすこと」などに充てる計画。

先月はKrogerの2,000店舗に進出し、取り扱い店舗はこの1年で6,000店まで急成長を遂げました。年内には10,000店の大台に到達させることを目標としています。

業界シンクタンクのThe Good Food Instituteによると、昨年代替プロテイン界ではベンチャーキャピタルからの投資が減少。Meati Foodsのようなバイオマス発酵を手掛ける企業でも、資金調達額は39%減少しました。

しかし、今年に入ってバイオマス発酵企業が調達した総額はすでに2億2,800万ドル(Meati Foodsの調達を除く)となっており、植物性食品(5,800万ドル)や培養肉(1,200万ドル)のカテゴリーを大きく上回っています。

動物性、植物性の利点を併せ持つ菌糸体


今回の調達にあたり、Meati Foodsは経営陣を刷新しました。元パタゴニア幹部のGravesは、今年2月にCFOとしてMeati Foodsに入社。しかしその2週間後に、共同創業者Tyler Hugginsの後任としてCEOに任命されました。同月、COO兼社長を務めていたScott Tassaniも退社しています。

Gravesは、「植物性食品は売上が落ち込んでいるが、その主な原因は、原材料と栄養価に関する透明性の欠如だ」と指摘。その点、Meati Foodsの菌糸体原料「MushroomRoot」は動物性、植物性双方の利点を有しており、これが投資家へのアピールポイントになったとしています。

同社は昨年初頭にコロラド州に年間4,000万ポンド(約18,000トン)の製品を生産できる「Mega Ranch」を開設し、MushroomRootの食品への使用に関する米国特許を取得しました。

これらにより、同社製品はリピート率が常に60%を超え、ロイヤルティの高い顧客基盤を築いていることも、資金調達に成功した理由の一つとされています。 

2025年の黒字化に向け収益性を向上


Meat Foodsは今年2月にも全従業員の13%にあたる人員削減を実施。昨年6月から数えて3度目のレイオフに踏み切りました。

現時点でこれ以上の変更は計画していないとのことですが、2025年末までに売上高10億ドル(約1,560億円)の達成を目標に、黒字化を目指す施策を行っています。

Eat Meati」シリーズのホールカットチキンカツやステーキを取り扱う小売店は、Whole Foods Market、Sprouts Farmers Market、Meijer、Wegmans、Super Target、そしてKrogerとその系列会社など、順調に増加中。

Meati Foodsは昨年、オンラインのD2Cマーケットプレイスを立ち上げ、チキンナゲットやジャーキーなどの製品も展開していましたが、現在は小売りの拡大と上述の主力製品ラインに重点を移しています。

参考記事:
meati™ | LinkedIn
Meati Raises $100M in Largest Alt-Protein Investment Since 2022, Expands to 6,000 Stores
Meati Foods bites into another $100M amid growth to 7,000 retail locations | TechCrunch

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