植物性食品への「肉を想起させる表現」の使用、イタリア人の7割近くが支持 —YouGov調査

英国の調査会社YouGovが、GFI Europeからの委託により、イタリアにおける植物性食品のラベル表示に関する調査を実施。

その結果、イタリ人消費者の68%が、植物由来の製品への「肉を想起させる表現」の使用を認めていることが明らかになりました。

植物性タンパク質の受容性の高さが判明


18歳以上のイタリア人消費者1,046人を対象に実施された新たな調査では、「ハンバーガー」や「ミルク」といった用語が植物性食品に対する表示として適切であると考えているのは、実に全体の69%

一方、混乱を招く可能性があるためこうした用語の使用を制限すべきだと考えている人の割合は、わずか21%にとどまりました。

GFI EuropeのFrancesca Gallelliは、「この調査により、消費者が植物性ソーセージやハムなどの用語について、良く理解していることを確認できた」とコメント。

「肉を想起させる用語の使用禁止は、必要な保護措置となるばかりか混乱を引き起こし、フードシステムの多様化と持続可能性の確保の点で重要となる製品へのアクセスを難しくするものでしかない」と述べています。

この調査ではまた、回答者の70%がイタリアの食肉消費は過剰だと考えていること、そして60%が今後2年間で肉食を減らすか、あるいは完全にやめる予定であることが明らかになりました。

GFIは、この調査結果はCREASmart Proteinによる調査から得られたデータと相関しており、イタリア人の間では肉の消費を減らす傾向が強く、植物性タンパク質の受容性が高いことを示していると指摘しています。

禁止法は一旦成立もペンディングに


今回の調査に至った背景として、イタリア政府が昨年、植物性食品への「ステーキ」や「サラミ」といった用語の使用を禁止する法案を可決したことがあります。

培養肉の生産・販売禁止と併せて行われたこの措置は、消費者の混乱を避けることが目的と政府は主張。

しかしながら、あらゆるセクターに利益をもたらすグリーン経済を支える革新的なソリューションよりも、既存の食肉業界を優遇する保守派・メローニ政権の処置に対して、少なからず疑問の声が上がっていました。

中でも、欧州第3位の市場規模を誇る同国の植物性食品企業は、いつマーケティング戦略の変更が必要になるか分からない状態に置かれており、政府によって標的にされていると感じている様子。

同法は昨年11月に成立したものの、技術規制情報システム(TRIS)* に基づく手続きに違反しているため認められない可能性があり、現在のところ施行には至っていません。

隣国のフランスでも昨年から同様の法案が議論され、今年2月に制定に至りましたが、EU法への違反の有無が争点となり4月に一時停止されています。

* EUの単一市場に影響を及ぼす可能性のある法案が、ほかの加盟国や欧州委員会(EC)の同意を得ることなく各国の議会で可決されることを防ぐための仕組み。

参考記事:Majority of Italians Support Using ‘Meaty’ Terms in Plant-Based Products Labels

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